キッザニア東京で自作PC体験! マウスコンピューターの「パソコン工場」パビリオンに潜入してきた(3/3 ページ)
マウスコンピューターが6月26日、キッザニア東京に「パソコン工場」パビリオンをオープンした。3歳から15歳のキッザニアンにPCの組み立てを体験してもらうというものだ。オープンセレモニーを含めて、パビリオンの模様をお届けする。
子どもたちが安心して自作PC体験をできる工夫も
ちなみに、今回はメディアを呼んでの取材ということもあり、通常30分の工程を15分に短縮したバージョンだった。省略されたのは以下の内容だ。
- タブレットとの違いについて学ぶこと
- グラフィックスカードの有無によるスペックの違いを映像で確認すること
- ピッキング方法やパーツの持ち方についての説明
- 組み立てるためにケーブルを一旦全てケースから出すこと
- PCを液晶ディスプレイに接続すること
- PCの出荷を見送ること
このキッザニア東京で組み立てるのは、ゲーミングデスクトップPCだ。“ゲーミング”といえば、動作中にピカピカとLEDが光るというイメージが確立されているといっても過言ではない。完成したPCの電源をいれると、ディスプレイに映像が表示されるだけでなく、PC内部のLEDも透明なケース側面からよく見える。これにより達成感は増すだろう。
ここで気になったことがある。今回体験したキッザニアンたちは小学5年生と6年生で、手先も器用に使える年齢であったが、キッザニアでは3歳から各パビリオンを体験できる。PCを構成する部品は精密機器で繊細に扱う必要がある。故意ではなくとも、子どもたちが雑に扱うこともあり得る。どのような対策を施しているのだろうか。
「基板部分はアクリルでカバーしています」と担当者。「CPUもこのように加工して手をけがしないように、ベタベタ触っても問題ないように工夫しています」と実物を見せてくれた。
「4万人の感動をさらに拡大させたい」
2021年のキッザニア甲子園から3年たった2024年に、キッザニア東京にパソコン工場パビリオンをオープンしたのはなぜか、キッザニアに出展することにどのような意図があるのか、両パビリオンの違いは? などについて軣社長と圓谷社長から話を聞いた。
「キッザニア甲子園はコロナ禍の最中ではあったが、多くの方に体験していただきました。体験後の子どもたちの顔を見ると、みんなうれしそうな顔をしている。これはもっと広めたいなと感じたのが2店目を考えるきっかけになりました」と軣社長。どれほど「多くの方」だったかについては、圓谷社長が「延べ4万人」と教えてくれた。
「もっと多くの人に体験してもらえるよう、甲子園では1回6席だったところ東京では8席に、甲子園でのフィードバックを得たことや、機材が新しくなったことなどから組み立てる部品を簡素化してプログラムを30分に短縮できた。甲子園以上に速いペースで多くの方々に物作りを体験してもらえるのではないかと期待しています」(軣社長)
実は軣社長がマウスコンピューターの社長に就任したのはわずか1週間前のことだ。このようなイベントへの登壇は今回が初となる。
これまで開発畑一筋でやってきたところ、初のイベントが「子ども×物作り」というところで、何か感じるところはあるのだろうか。
「子どもたちに物作りを体験してもらうことで、将来にできること、できる幅が増えて未知の世界を切り開けるようになります。子どもの潜在能力を引き出すことができるかもしれません。研究心、探究心を深めるきっかけ作りになり得るイベントが最初であることをうれしく思っています」と軣社長は期待を込めて語った。
また、開発畑だったからこその発言も飛び出した。
「今、GIGAスクール構想で1人1台端末が実現していますが、子どもたちは想定外の使い方をすることがあり、PCが故障してしまうこともあると聞いています。ただ、そのフィードバックのおかげで、我々も壊れにくい次の製品開発へとつなげられるのです。パソコン工場パビリオンでは、子どもたちが(使う側ではなく作る側として)PCの部品に触れ、組み立てるという作業を行うことで新しい発想や、やってみた感想を聞くことができます。それらは今後の製品開発へとつなげるものになるので、貴重なものと捉えています」と軣社長は指摘した。
人とPCをつなぐさまざまな施策を打ってきたマウスコンピューター。キッザニア東京のパソコン工場パビリオンで、多くの子どもたちに体験してもらい、フィードバックを得ることで、さらにPCと人との距離を縮めていけるのではないかと感じた。
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