Shokzの“耳をふさがない”イヤフォン「OpenFit Air」と「OpenSwim Pro」どちらを選ぶ?(2/2 ページ)
Shokzの新製品「OpenFit Air」と「OpenSwim Pro」の実機レビューをお届けする。
骨伝導イヤフォン「OpenSwim Pro」
OpenSwim Proは、Shokzではおなじみの骨伝導タイプのイヤフォンだ。左右がつながりネックバンドが後頭部にくるデザインは、Shokzらしいと言ってもいいだろう。
本製品はProというネーミングで、無印の「OpenSwim」も販売されている。しかし、あちらはBluetoothに非対応のMP3プレーヤーだった。水泳や他のワークアウトでお気に入りの音楽を聞くことだけを考えるならこれでも良いのだろうが、OpenSwim ProはBluetooth対応になったことで、一般的なイヤフォンと同様にスマートフォンと接続してサブスクリプションを含めてさまざまな音楽を楽しめるようになった。
BluetoothイヤフォンとMP3プレーヤーの切り替えは、Shokzアプリで行える他、本体のファンクションボタン、あるいは音量ボタン上下の同時押しで行える。この辺りの操作はアプリから変更が可能だ。
MP3プレーヤーとして利用するには、まず本体に音楽を格納する必要がある。ストレージ容量は32GBだ。音楽の転送には、付属の充電ケーブルを利用する。このケーブルをPCに接続してPC経由での転送となる。残念ながらアプリを利用してBluetooth経由で転送することはできない。対応しているフォーマットはMP3/FLAC/WMA/WAV/AAC/M4A/APEと幅広い。
MP3モードでの音楽再生は、「順に再生」「シャッフル再生」「1曲リピート」を選べる。本体の音量「+」ボタンと「マルチファンクション」ボタンの同時長押しでも切り替えられる。
装着感については、これまでの骨伝導イヤフォンと同様に、耳に引っかけるというより本体のバネ性でこめかみに左右から押し付けるというイメージだ。このため、初めは違和感があるが、しばらくすれば気にならなくなる程度だ。
メガネとの干渉は多少あるが、あまり気にならない。装着時にはメガネを外した方が楽かもしれないという程度で、装着さえしてしまえば多少メガネのツルが太めでも問題はないだろう。
基本的には四六時、中身に着けて使うものではなく、ワークアウト時の使用を想定した製品だと思うが、装着感が軽いので普段から身に着けていても問題はないだろう。バッテリー持ちもBluetoothモードで9時間、MP3モードで6時間と1日使うには十分だ。マイクも搭載しており、通話やビデオ会議などでも利用できる。
音質に関しては、OpenFit Airと比べてしまうと、全体的に物足りなく感じる。低音は比較的良好だが、中高音の伸びやかさ、きらびやかさといったものは感じにくい。ただ、骨伝導だということを考えると十分だろう。
Shokzアプリからはイコライザの設定も可能だ。といっても、豊富に用意されているわけではない。Bluetoothモードでは音楽を聞くための「スタンダードモード」と、オーディオブックやポッドキャストなど人の声に最適化された「ボーカルモード」の2つを利用できる。
ボーカルモードは、名称からするとボーカル曲でも利用できそうだが、確かに人の声は聴きやすくなるものの、それ以外が抑制されて、かなり薄っぺらい印象になってしまった。説明通りにオーディオブックなど、声がメインの用途向けと割り切ったほうが良さそうだ。
MP3モードでは、スタンダードモードの他、スイミングモードが利用できる。実際に試したわけではないが、水泳時に特化した特別モードとのことだ。なお、このモードを使用する際には、付属の水泳用耳栓の併用が推奨されている。
どちらを選ぶかは用途次第
OpenFit Airの価格は1万9880円、OpenSwim Proは2万5880円(いずれも税込み)だ。筆者としては、性能的にも音質的にも、大多数の人にはOpenFit Airをおすすめしたい。ただし、OpenSwim Proは水中でも使えるという特徴がある。MP3モードがあるので、スマートフォンを持たなくても音楽を楽しめるのがメリットだ。
プールをよく利用する、ウオーキングやランニングなどはスマートフォンも持たずにできるだけ身軽に行いたいと考えているなら、OpenSwim Proのほうが向いている。
どちらの製品も、Shokzの技術力が生かされた高性能なイヤフォンだ。運動する間だけ使うのか、一日中装着していたいのかなど、自分の生活スタイルに合わせて選択するといいだろう。
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