ASUS JAPANの新型ポータブルゲーミングPC「ROG Ally X」を試す パワーアップで実用性向上 マルチに活躍できる1台に:先行レビュー(1/5 ページ)
ASUS JAPANが、新型ポータブルゲーミングPC「ROG Ally X」をまもなくリリースする。発売に先駆けて、気になるポイントをチェックしていこう。
7月24日、ASUS JAPANから新型のポータブルゲーミングPC「ROG Ally X」が発売される。予想実売価格は13万9800円(税込み)で、直販サイト(ASUS Store)や家電量販店、ECサイトで予約販売を受け付けている。
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発売を目前に控え、ASUS JAPANからROG Ally Xの実機をお借りできたので、その“実力”をチェックしていく。
ROG Ally XってどんなPC?
まずはROG Ally XがどんなPCなのか、おさらいを兼ねつつチェックしていきたい。
ROG Ally Xは、2023年6月に発売された「ROG Ally(エイライ)」のパワーアップモデルという位置付けだ。
同社のPCを取り扱う店舗が全国的に多いこともあり、先代は郊外や地方でも実機に触れられる機会が多かった。先行発売された上位モデルの実売価格は11万円弱、2023年9月に追加発売された下位モデルの実売価格が9万円弱と手頃だったことも手伝って、ポータブルゲーミングPC市場の“裾野”を広げる役割を果たした。
新たに登場するROG Ally Xは、そんなROG Allyのメリットを引き継ぎつつ、同モデルで課題になったポイントを改善したモデルとなる。
ディスプレイは、引き続きタッチ対応の7型フルHD(1920×1080ピクセル)液晶を搭載している。本体の左右に一体型のゲームコントローラー(パッド)を搭載していることや、コントローラーのボタン配置など、基本的な部分は保持されている。
APU(GPU統合型CPU)は、Allyの上位モデルと同じく「Ryzen Z1 Extreme」を搭載している。
「ではどこが変わったのか?」という点だが、順を追って説明していこう。
変更点1:メインメモリの増量
メインメモリの容量が16GBから24GBに増えた。
APUに統合されたGPU「Radeon Graphics」(※1)は、メインメモリのうち最大で8GBをグラフィックスメモリとして確保する。Allyの上位モデルの場合、グラフィックスメモリが最大限確保されるとシステム(≒OSとアプリ)で使える容量が8GBしか残らなかったが、本モデルなら(単純計算で)16GB残せるようになる。
これにより、ゲームを含む多くのアプリでメモリ不足によるパフォーマンス低下を防げるようになった。
(※1)Ryzen Z1 ExtremeのRadeon Graphicsは、Ryzen 7040/8040シリーズにおける「Radeon 780M」と同等の性能を有する
「GPU-Z」で表示した内蔵グラフィックスの情報。メインメモリのうち、最大8GBがグラフィックスメモリとして消費されるため、Ally Xにおけるメインメモリの増量はメモリ不足に起因するパフォーマンス低下を抑える役割を果たす
変更点2:ストレージの増量
Allyは、全モデルにおいて512GBのSSDを備えている。「これで十分」という人もいるかもしれないが、最近のPCゲームはアップデートや追加(ダウンロード)コンテンツを含めると100GBを超える容量が求められることがある。
その点、Ally XのSSD容量は2倍の1TBに増えている。これにより、より多くのゲームタイトルを持ち運びやすくなった。
「CrystalDiskInfo 9.3.2」で表示した、ROG Ally Xのストレージ情報。レビューした個体には、ウエスタンデジタル(WD)の「WD PC SN560」の1TBモデルが搭載されていた
変更点3:バッテリー容量
ROG Allyは、40Wh(定格値、以下同様)のリチウムポリマーバッテリーを搭載している。本体サイズの割に大容量ではあるものの、「ゲームを思いきり楽しむと容量が足りない」という声があったのも事実だ。
その点、ROG Allyではバッテリーの容量を2倍の80Whに引き上げている。単純計算すると、バッテリーによる駆動時間はAllyの2倍。“ポータブル”ゲーミングPCであることを考えれば、一番の改良点といえるのかもしれない。
なお、バッテリーの増量に伴い、本体の厚さと重量は少し増している(※2)。実際のバッテリー駆動時間は、テストを通して検証したい。
(※2)厚さは約21.22〜32.43mm→約24.7〜36.9mm、重量は約608g→約679gとなった
他の変更点は、各部のチェックと合わせて見ていきたい。
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