世界最軽量のPCをみんなで作る！ 島根富士通の「富士通FMVパソコン組み立て教室」を体験してきた（4/5 ページ）

ほぼ毎年恒例の富士通クライアントコンピューティング（FCCL）と島根富士通の「富士通FMVパソコン組み立て教室」が、2024年も開催された。この記事では、その模様を“濃く”お伝えする。

[井上翔，ITmedia]

ディスプレイを取り付けて「ノートパソコン」らしく

　後半戦は、液晶ディスプレイやSSDなど、メインボード以外の“大物”の取り付けが続く。ケーブルも幾つか装着することになる。

後半戦のFCCLチームは、大隈社長がメインに立って作業を行うようだ

　液晶ディスプレイのケーブルは、前半に取り付けたケーブル類と比べると大きく、取り付けやすいように見える。しかし、フレキシブルケーブルと同様に、真っすぐ差し込むのが意外と難しい。カメラのケーブルも同様で、やはり真っすぐ差し込むのが簡単ではない。

　世の中、簡単そうに見えることほど意外と難しい――ある意味で、社会勉強になる。

ディスプレイユニットから出ているディスプレイケーブル（左）とカメラケーブル（右）を取り付ける

真っすぐに差し込むのが案外難しい。「フレキシブルケーブルなんかより簡単だろ」と思ったら大間違いだった

2つのケーブルを差し込み終えた大隈社長

後半では何度か参加者へのインタビューも行われた

　2つのコネクターをつないだら、ケーブルの整理を行った上でヒンジのネジ止めと、底面上方の足（滑り止め）の取り付けを行う。

　何気ない作業に思えるが、ケーブルの整理が意外と大変だった。恐らく、ここは指の小さい子どもの方が有利だと思われる。

ケーブルを整えた上でヒンジを倒し、ネジ止めを行う。なお、今回の作業ではWi-Fi（無線LAN）／Bluetoothのアンテナ結線は行わない（例年と同様）

ケーブル類の整線をしている様子

　組み立ても、いよいよ終盤。SSDやバッテリーを取り付けて、Dカバー（底面カバー）を取り付ければ完成……なのだが、ここからが“真の”クライマックスとなる。

　SSDの取り付けは、簡単なように見える。しかし、SSDモジュールを奥までうまく差し込めなかったり、差し込めたと思ったら浮いてネジ止めできなかったりと、意外な悪戦苦闘ポイントだ。

取り付けるSSDは、どの組もSamsung Electronics（サムスン電子）製の「PM9C1aシリーズ」だった（筆者の組み立てたモデルでは容量が256GBとなっていた）

SSDを取り付ける様子

　バッテリーについては、選んだモデルによって容量が異なる。当然、物理的なサイズも違うが、ネジ止めの位置が異なるだけで、止めるネジの数（4カ所）に変わりはない。外れにくくするために、コネクターは結構固めで、その固さに苦戦する子どもが多いようだった。

バッテリーモジュールは、選んだモデルによって容量とサイズが異なる（写真はLIFEBOOK WU-X/H2の25Whバッテリー）

バッテリーを取り付ける浜辺さん

　最後にDカバーを取り付ける……のだが、筆者的に一番焦ったのがこの作業だ。理由は2つある。

　1つは、2022年にLIFEBOOK WU2/F3の組み立てを体験した際に、Dカバーのネジを1カ所“切って”しまったトラウマである。力みすぎた結果なのだが、結論からいうとここは問題なくクリアできた。前回の反省を生かした結果ともいえる。

　もう1つは想定外だったのだが、Dカバーにあるコネクターの取り付けが難しいことである。2022年のWU-X/F3はDカバーに何も部品は取り付けられていなかったのだが、今回組み立てたWU-X/F3はDカバーにスピーカーが取り付けられており、そのケーブルの結線が必要なのだ。

　「ケーブルをつなぐのなんて、もう慣れたでしょ？」と思うかもしれないが、ケーブルの長さが（筆者としては）超ギリギリで、ケーブルがピンと張ってしまい、コネクターになかなかうまくはめられなかった。

　深呼吸をして、何とかはめることができたものの、再び“最後の最後”で焦ってしまった。

　他の参加者はどうかというと、Dカバーを固定するネジを締めきることに苦戦していた。というのも、本機のDカバーは2種類のネジ（小型×10＋大型×2）で締めるのだが、大型ネジを規定の箇所まで締めきるのに意外と力が必要で、一部の子どもは締め切れなかったのだ。

2回連続で筆者を苦しめることになったDカバー。今回組み立てたモデルは、スピーカーの設置方法の都合でDカバーにケーブルがあり、これの結線に苦戦することになった

最後の仕上げにかかる子どもたち

矢印で示した部分が大きいネジで、これを締めきるのに意外と力が必要だった（写真はしっかりと締め切れている）

ネジを締めきったように見える浜辺さん……だが、実は所定の位置まで締め切れていない

大きいネジを締めきれない親子は意外と多く、匠が増し締めをする様子も散見された

いよいよ完成！

　Dカバーを取り付けたら、司会の指示に従ってACアダプターを取り付けて、電源を入れて動作をチェックする。

　今回は、教室に参加したメディアを含む全てのグループが問題なく起動した。これで、組み立ては完了だ。

ACアダプターをつないだ。本来、新品のメインボードにACアダプターをつなぐと自動的に電源が入るそうだが、今回は事前に設定を施していたようで、つないでも電源が入らないようになっていた

指示に従って電源を入れると……

Windows 11が起動した。壁紙は、受付時に撮影した写真が設定されている

今回は、全てのグループが組み立てに“成功”した

大隈社長と浜辺さんのFCCLチームも無事起動