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超小型で高性能な「Mac mini」と超広角カメラ搭載の「iMac」――新モデルから見えるAppleの「デスクトップMac」戦略本田雅一のクロスオーバーデジタル(4/4 ページ)

Appleが「iMac」と「Mac mini」の新モデルを相次いで発表した。いずれも最新の「M4チップ」を搭載しており、Mac miniは上位の「M4 Proチップ」を搭載する構成を選べるようになった。Mac miniを中心に、AppleのデスクトップMacについて考える。

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Macの「Apple Intelligence」対応で何が変わる?

 ところで、新しいiMacとMac miniは、いずれも「Apple Intelligence」への対応が強調されている。ただ、対応機種がiPhone 15 ProとiPhone 16ファミリーに限定されているiPhoneとは異なり、MacではApple Siliconを搭載する全機種で対応している。一見すると、MacではApple Intelligence対応を強調する理由は乏しいように思える。

 では、初期のApple Silicon(M1チップファミリー)とM4チップファミリーでのApple Intelligenceにはどのような違いがあるのだろうか……?

 出したリクエストの“複雑さ”にもよるが、M1チップファミリーでは1秒で応答していたものが、M4チップファミリーでは0.5秒で応答するとなった場合は、その積み重ねが“大きな違い”として認識されるだろう。

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新しいiMacのWebサイトには、「Apple Intelligenceのために設計」とわざわざ書かれている
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新しいMac miniのWebサイトにも、「Apple Intelligenceのために設計」とわざわざ書かれている

 先に結論をいってしまうと、処理結果に違いはない。ただ、CPUコアやGPUコア、Neural Engineのパフォーマンスの違いがリクエストに対する応答時間(結果を出力するまでの時間)の差として出てくる

 ちなみに、米国ではApple Intelligenceのβテストが始まっているが、以下のようなケースで処理能力の高さを時間できるだろう。

【作文ツール】

 「作文(Writing)ツール」は、Apple Intelligenceの目玉機能の1つだ。これはOS機能として組み込まれており、文章を作成するさまざまなアプリから呼び出せる。カーソルの位置も問わず、選択した文書の校正や書き直し、トーンの変更、要約などが行える。

作文ツール
作文ツールはOSに統合されているので、アプリを問わず呼び出せる

【Siri】

 音声エージェント「Siri」は既存機能ではあるが、Apple Intelligenceと組み合わせることでより賢くなった。Macをどのように使いこなせば良いのか、自然な言語で質問してみるとアドバイスがもらえる他、必要な設定項目を呼び出してくれたり、Macで管理する個人情報の中身に対して、必要な情報を発掘するために手伝いをしてくれたりする。

Siri
Siriにデバイスの使い方を聞くと、設定の仕方を教えてくれる

【写真】

 「写真」アプリでは、iOSのアプリと同様に推論エンジンを用いることで画像の取り扱いがとてもスマートになった。自然な話し言葉で画像を検索できる他、映り込んだ不要な被写体をワンクリックで除去可能だ。今後のアップデートにより、昨日の拡充が一層行われるだろう。


 新しいiPad Pro発表時に行われた「Final Cut Pro」や「Logic Pro」のAI機能の強化等にもあるように、今後AI技術を用いて大幅に機能を刷新したアプリが続々登場する予定となっている。それらを活用する際に、M4チップファミリーのパフォーマンスは、顕著な差として出てくるだろう。

 新しいMac miniは9万4800円からという価格設定となっている。メモリの容量は16GBからとなっており、最大構成ではM4チップモデルが32GB、M4 Proチップモデルが64GBを選べる。既に予約販売が開始されているが、発売は11月8日だ。

 そのパフォーマンスに関しては今後じっくりとテストした上でレポートしたい。

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