悲願のiPad対応を果たした「TourBox Elite Plus」 その実力は? プロイラストレーターが試したぞ:ある日のペン・ボード・ガジェット(3/3 ページ)
「左手デバイス」で独自の地位を築いた「TourBox」シリーズ。その最新モデル「TourBox Elite Plus」をプロイラストレーターのrefeiaさんが試してみました。
ダイヤル好きにも覚えてほしいショートカット
少しレビューとは離れますが、CLIP STUDIO PAINTやPhotoshopなどで回転/ズーム/ブラシサイズ変更をするときには、ダイヤル以外にも便利なショートカットがあります。全面的に優れているわけではないですが、多くの場合こちらの方が素早く直感的に操作でき、ダイヤルを他の機能に割り振る余地もできるのでおすすめです。
TourBoxシリーズを導入するにしても、キーボードショートカットを学んでいたかそうでないかで設定の上手さや作業効率は変わってくると思います。効率化の初手でTourBoxを検討している人も、ぜひ学んでみてください。
まとめ
それではまとめていきましょう。TourBox Elite Plusは、TourBoxシリーズで初めてiPadに対応したデバイスです。しっかりした作りの本体と、機能が更新され続けているPC用ドライバソフトウェアによって、効率化とカスタマイズへの高い要求に答える出来になっています。
一方で、iPadで利用するときにはドライバソフトウェアの恩恵は享受できません。OSの制限により、基本的には「カスタマイズ可能なキーボード」として動作します。キーの二度押しや同時押しに対応してはいるものの、現状ではHUDやマクロなどのドライバが必要な機能を利用できないだけでなく、モバイルアプリの多くはキーボードショートカットをPCほど手厚くサポートしないために、利便性が制限されています。
iPad版CLIP STUDIO PAINTに限れば、素早く操作できるように設定したり、PCとiPadでおおむね共通の操作性になるよう設定したりすることもできるでしょう。もしそれ以外のクリエイティブアプリや一般的な効率化ツールとしてiPadで主に使うことをもくろんでいるならば、価格に対して得るものが少なかったという感想になる恐れがあります。
あくまでPC主体、iPad対応はプラスαとして本機を検討するのが良いでしょう。
モバイルOSの制限があるので仕方ないですが、価格を考えると少々残念としか言いようがない「iPad対応」というのが現状です。ファームウェアや設定アプリの機能改善も進んでいくでしょうし、アプリの開発者にも声をかけているようなので、状況が変わるのを待っても良いでしょう。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
高級左手デバイスはどんな人に向いている? プロイラストレーターが「TourBox Elite」を試して分かったこと
昨今、人気を集める「左手デバイス」。さまざまなカスタマイズが可能で、ユーザーの生産性アップに貢献してくれます。プロイラストレーターのrefeiaさんが導入した体験記をお届けします。
ロジクール初の分割式“左手デバイス"が登場 プロ絵師による「MX クリエイティブ コンソール」レビュー
ロジクールから登場した初の“左手デバイス"です。ディスプレイ付きのキーパッドとダイヤルデバイスの2台がセットになっているのが特徴ですが、実際の使い勝手をプロイラストレーターのrefeia氏が検証しました。
夢の左手デバイスはまさかのゲームパッド「8Bitdo Micro」だった プロイラストレーターが試して分かった驚き
さまざまなデバイスをリリースして売る8BitDoでは、チョット便利な小型モデル「8Bitdo Micro Bluetooth Gamepad」を販売しています。左手デバイスとして、お絵描きやゲームなどでも使えるのか、イラストレーターのrefeiaさんが試しました。
長年のPixelユーザーがiPhoneに乗り換える前に最新の「Pixel 9/9 Pro XL」を触った理由
期せずして、長年のPixelユーザーなプロイラストレーターのrefeiaさん。iPhoneに乗り換えると聞いて、こっそりと最新モデルを送ってみました。その反応は……!?
「Surface Laptop 7」を思わず自腹購入! プロイラストレーターが試して分かった満足点と懸念点
プロイラストレーターのrefeiaさんが、思わず購入してしまった「Surface Laptop 7」。Snapdragon搭載の新モデルをいろいろと試してみました。
