GeForce RTX 50だけではない! 社会がAIを基礎にしたものに置き換わる? 「CES 2025」で聴衆を圧倒したNVIDIAの最新構想:本田雅一のクロスオーバーデジタル(3/3 ページ)
NVIDIAのジェンスン・ファンCEOが「CES 2025」の基調講演に登壇した。新アーキテクチャのGPU「GeForce RTX 50シリーズ」に注目が集まりがちだが、注目すべきポイントはそこだけではない。
「CPUからGPU中心」へ そして「認知AI」から「フィジカルAI」へ
NVIDIAの発表で印象的なことは、圧倒的な高性能GPUチップを発表するにとどまらず、新しい領域のアプリが生まれてくるソフトウェアの土壌をきちんと整備していることだ。
例えば同社はWindows 11とWSL(Windows Subsystem for Linux)環境の「RTX AI PC」を対象に、推論アプリケーション開発基盤「NIMマイクロサービス」を簡単に組み込めるキットを提供する。
このキットを使うと、開発者はBlack Forest Labs/Meta/Mistral/Stability.AIなどが提供するLLM(大規模言語モデル)や画像生成モデルなどを利用しやすくなり、PCに組み込むAIエージェントの開発をスムーズに行える。
また、ファン氏は「フィジカルAI」と呼ぶ、自動運転車やロボットなど物理的に人間社会と関わるAIの進化にも触れた。「Cosmos」は、そのために構築されたAI基盤だ
フィジカルAIとは、自動運転車やロボットといった社会に物理的に存在するものに組み込まれたAIのことだ。いずれ、社会のさまざまな製品がAIを基礎にしたものに置き換わると予言しているようにも感じられる。
AIロボットや自動運転の構築では、高精度な学習データが大量に必要となるが、「Cosmos World Foundation Models(WFM)」はシミュレーション環境から自動でデータを生成する機能を持ち、効率的なAIエージェントの開発を支援する。
PCのソフトウェア開発は「CPUを動かす従来型コーディング」から「GPUがニューラルネットワークを実行するAI型コーディング」への移行が加速し、人々の仕事や娯楽、さらには社会インフラの根底を変えていく可能性が高い。
30年前の「NV1」や1999年の「■省電力性を向上している
NVIDIAはGPUとAIの“両輪”を使いこなすことで、PCやデータセンター、組み込みシステムを問わず、今後さらに深い領域へと進出しようとしているのだ。
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