両手に収まる小さなPCにUSB4とOCuLinkで外付けGPUをつないでみた 「AYANEO AG01 Starship Graphics」の性能をじっくり検証(4/4 ページ)
外で遊ぶ分には良いが、自室という環境になると非力さが気になってしまうポータブルゲーミングPCやUMPC。これらを手軽にパワーアップし、高速化するのがeGPUだ。AYANEOが手掛けた小型のeGPU「AYANEO AG01 Starship Graphics」で、どれだけ高速化できるのか試してみた。
SSDを追加してポータブルゲーミングPCを拡張
AG01には、工具なしでM.2 2280のSSDを取り付けられるPCI Express 3.0対応スロットがある。というわけで、オーバースペックではあるがPCI Express 4.0 M.2 2280のSSD「シリコンパワー 2TB US75 NVMe PCIe Gen4 M.2 2280 SSD」を購入し、さっそく取り付けた。
取り付け方は簡単だ。AG01の電源を落とし、底面にあるSSDスロットのダイヤル式ロックを回して外す。
すると、端子が現れるので、そこにカチャリとはめ込むだけだ。
後はPCなどと接続し、フォーマットすれば使えるようになる。
AYANEO SLIDEの場合
AG01に挿したSSDを外付けドライブとして認識させるためには、USB4(またはThunderbolt 4/3)ケーブルでホストと接続する。OCuLinkケーブルでは利用できない。これはAYANEOの製品紹介サイトにも記載されているので注意したい。
というわけで、まずはAYANEO SLIDEと、SSDを取り付けたAG01を接続した。問題なくAYANEO SLIDE側で新しいSSDを認識したようだ。
次に転送速度を測ってみた。計測ツールは、おなじみの「CrystalDiskMark 8」(ひよひよ氏作)だ。5回計測した読み出し速度と書き込み速度の平均はそれぞれ毎秒823.04と同779.84となった。なお、それぞれの最大速度は毎秒823.16と同779.98だ。
まずまずの転送速度を得ることができたといえよう。
ONEXPLAYER X1 miniの場合
前述したように、OCuLink接続ではAG01に換装したSSDを外付けドライブとして使えないので、ONEXPLAYER X1 miniとAG01をUSB4ケーブルで接続した。こちらも問題なく認識できたので、早速計測していきたい。
5回計測した読み出し速度と書き込み速度の平均は、それぞれ823.00と779.85であった。最大速度はそれぞれ毎秒823.16MBと同780.04MBであった。
MacBook Proの場合
AG01はmacOSに対応していないが、外付けドライブとして使うことは可能だ。というわけで「MacBook Pro 13-inch 2020」のThunderbolt 3端子に接続した。exFATでフォーマットしておけば、WindowsとmacOSの両OSで使えて重宝する。
計測に使ったツールは、Blackmagic Designの「Blackmagic Disk Speed Test」だ。5回計測した結果、平均読み出し速度は毎秒738.82MB、平均書き込み速度は同649.64MBとなった。最大速度はそれぞれ毎秒748.6MBと同699.7MBだ。
筆者は、出先だけでなく、自宅での執筆、画像編集、動画編集をONEXPLAYER X1 miniで行っており、処理速度などで遅いと感じたことはない。プレイするゲームも、どちらかというと海外インディーズ製品なので、不満を感じなかった。
今回のベンチマークテストを行ったことで、流麗なグラフィックスを用いたゲームをそのままプレイするにはさすがに向かないことを痛感させられた。
とはいえ、こういった(デスクトップゲーミングPCと比べ)非力なマシンでもeGPUを追加すれば、AAAタイトルのグラフィック性能に関するパフォーマンスを2倍から4倍に向上させられることが分かった。AYANEO AG01 Starship Graphics Dockの直販価格は599ドルだが、きっと画像や動画編集といった普段の業務でも威力を発揮するに違いない。モバイル性を重視しつつ、自宅での作業にeGPUを追加するのも“アリ”だ。
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