15周年を迎えたiPadの集大成! M3チップの新型「iPad Air」は買い替える価値があるのか 試して分かったこと(3/4 ページ)
Appleが発表したタブレットの新モデル「iPad Air」の販売がスタートする。実機を触って感じたことを林信行氏がまとめた。
アクセサリー次第で用途がさらに広がる
13インチ版Magic Keyboardの重さは749gだった。13インチiPad AirのWi-Fi+Cellularモデルの重量である617gと合わせると1.36kgでMacBook Air(13インチで約1.24kg)よりは少し軽い
iPadは、多様な使い方ができるのも大きな魅力だ。メール/Web/写真真/動画再生/電子書籍といった利用方法が一般的だが、乗客の命を預かった飛行機のパイロットや手術中の医者が必要情報を確認するために用いたり、中古車の査定業者や森林管理をする人々がカメラを使って状態を記録するのに使っている。
さらに、漁師が船上でどの場所でどれだけ魚を獲ったかを記録したり、飲食店でテーブルからの注文システムに使われたり、ホテルで室内の照明やエアコンを制御するのに使われたり、自閉症スペクトラムなどで言葉での会話が苦手な人たちが絵をタップして会話をするために活用されたりと、使われ方は本当に千差万別だ。
初期のiPadはこうした多様な使い方にアプリだけで対処してきた。しかし、iPadの柔軟性はケースや取り付け用の治具、外付けキーボードなどの周辺アクセサリーを使うことでさらに広がる。
特に2020年以後のiPad AirはUSB Type-C端子を搭載したので、それにより外部のカメラやマイク、大容量ストレージなど多様な周辺機器が活用可能になった。それ以前のiPadでは、例えばプロジェクターに接続する際にもApple純正の少し高価なデバイスを購入しないといけなかったが、現在のUSB Type-C搭載iPadなら、価格的にも手頃で種類も豊富な他社製のアダプターなどを使える。
そんなiPadシリーズの最も定番の周辺アクセサリーが、「Apple Pencil」とキーボード、そしてカバーの「Smart Folio」だろう。
他のタブレットでは味わえない描き心地と、繊細な表現ができると多くのアーティストも愛用しているApple Pencil。iPad Airでは、本体側面にピタッと吸着できるApple Pencil(USB Type-C/直販価格1万3800円)も選べれば、より洗練された使い心地と高度な表現が可能なApple Pencil Pro(同2万1800円)の2種類から選べる。
Apple Pencil Proでは、強く握って色やペン種を変更するパレットを表示させたり、回転させてペン先の角度を変えたりといった表現もできる。また異なるペン先を変更した際などに、ちゃんとそれが触覚でも伝わってくるのも魅力だ。8000円ほど高価だが、その分、紛失した際にiPhoneを使って探す機能も用意されており、紛失する確率も低いことを考える差額の価値は十分以上にある。
iPad Air用のキーボードとしては、他社のBluetooth接続キーボードやUSB Type-Cのキーボードも使えるが、純正品として用意されているのがMagic Keyboardだ。
iPad Airとマグネットで合体し、まるで最初からそういう製品だったかのような一体感を感じさせる美しい仕上げの製品でもある。新iPad Airの登場に合わせて製品仕様が更新され、新たにファンクションキーも追加された。このため画面の明るさ調整や音量調整、再生操作などをキーボードから行うことができ、ノートPCのような使い勝手を感じさせる。
ちなみに、新Magic Keyboardは2024年のM2搭載iPad Airでも利用可能で、価格は11インチ用が4万9800円、13インチ用が5万9800円だ。iPad Airの価格との合計はMacBook Air(16万4800円〜)の価格に近付いてしまうが、いざとなったら取り外して他の構成にもできるのがiPad Airの強みだろう。
ちなみに、13インチモデル用キーボードの重量は実測で749gだった。iPad Air本体の重量と合わせると1.37kgとなる。MacBook Airは13インチモデルが約1.24kg、15インチモデルが約1.51kgなので、その間の重量となる。
iPad Airの純正アクセサリーには、他にもSmart Folioというカバーがある。
マグネットで本体に吸着し、パタパタと折りたたんで三角形を作りスタンドとしても使える優れものだ。タッチ操作や画面上のキーボード入力がしやすいように本体に自然な角度をつける傾斜台になったり、もっと角度をつけて飛行機や長距離列車のテーブルに置いて、ちょうど見やすい角度で動画を楽しめたりするスタンドにもなれば、持ち運び時には画面をガードするカバーにもなる。
重さは今回試した13インチ用が実測で284gと、本体と合わせた重量は901gだ。用途も周辺アクセサリーも本当に多種多様であることも、iPadを最も人気のあるタブレットにしている理由の1つだろう。
単なる画面カバーだけでなく、狭いところでも動画を見たり本を読んだりするのに都合がいいSmart Folio。動画を見るときに手前にキーボードがあると、PCで見ている形になるが、Smart Folioだと画面に集中できるので心地よい。iPad Airを買うならぜひ持っておきたい
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