最大192コアの組み込み機器用x86 CPU「EPYC Embedded 9005」登場 2025年第2四半期から順次出荷開始:先代とソケット互換あり
AMDがZen 5/Zen 5cアーキテクチャを採用する組み込み機器向けCPUを発表した。一般出荷は4〜6月に始まる予定だ。
AMDは3月11日(米国太平洋時間)、組み込み機器向けの新型ハイエンドCPU「EPYC Embedded 9005シリーズ」のラインアップを発表した。一部顧客を対象とするサンプル出荷は開始済みで、2025年第2四半期(4〜6月)から一般出荷も始まる予定だ。
EPYC Embedded 9005の概要
EPYC Embedded 9005(開発コード名:Embedded Turin)は、データセンターで使われるネットワーク機器/ストレージデバイスや工場などに置かれる産業用エッジデバイスといった、組み込み機器向けに開発された高いパフォーマンスを備えたCPUだ。先代の「EPYC Embedded 9004シリーズ」と同じSocket SP5を利用しているため、先代を想定して開発された組み込み機器に“ポン付け”するだけでパフォーマンスの向上を図れる。
CPUコアは3nmまたは4nmの「Zen 5アーキテクチャ」または「Zen 5cアーキテクチャ」で、用途に応じて8コア〜192コアのモデルを用意している。L3キャッシュはモデルによって64MB〜512MBで、TDP(熱設計電力)はモデルによって125〜500Wに設定されている。AMDによると、先代と比べると実効処理パフォーマンスは最大1.6倍、電力効率は最大1.3倍改善しているという。
メモリはDDR5-6400規格で、最大6TBまで搭載できる。多くのデータバスが必要な用途に向けて、PCI Express 5.0バスは1CPU構成で最大128レーン、2CPU構成で最大160レーンを確保できるようになっている。CXL Express 2.0も利用可能だ。
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