捨てたのは“赤ポッチ”だけじゃない? レノボの新フラグシップ「ThinkPad X9 14 Gen 1 Aura Edition」の実像に迫る(2/5 ページ)
象徴ともいえる「TrackPoint」を省いたThinkPad――それが「「ThinkPad X9」だ。今回は、ある意味で“らしくない’ThinkPadの14型のエントリークラスを実際に試してみる。
ThinkPadのイメージを継承するボディー
カラーはThinkPad伝統のブラックではなく、「サンダーグレー(メタリックダークグレー)」を採用している。底部に張り出しがある独特のフォルムだが、全体的には薄型で、スリムベゼルデザインも含め、最近のThinkPadらしいイメージは継承している。
これまでもいくつかブラックではないThinkPadは存在しているので、ボディーカラー自体はさほど違和感はない。ただし、色味はギラつきが若干強めで、ロゴの主張も強い。外観重視のユーザーを取り込むには、もう少し落ち着いた色味とロゴを採用してもよかったのではないかと思う。
底部の奥側が張り出しているのは、本製品のユニークな設計「エンジンハブデザイン」に理由がある。エンジンハブデザインは、SoC(System On Chip)などノートPCの主要コンポーネントを一定の幅に収め、底部を張り出させることで効率よく冷却できるようになっている。
張り出し部分は約45mmの幅で、多数の通気口が設けられている。その上で、その左右端にコンパクトな2基のファンが対称配置されている。
このエンジンハブデザインは、当初ファンレスシステムを目指して開発された経緯があり、高負荷時でもシステムが常に低温の状態を維持できるという。
接続性は大胆に絞り込み
ボディーのサイズは、公称値で約311.8(幅)×212.3(奥行き)×6.7〜17.2(厚さ)mmとなっている。最薄部の「6.7mm」というのは、先端部と後端部のわずかな部分のみとなる。一方、最厚部は先述のエンジンは部デザインによるものだ。これらを除いた厚みは、実測で14mm弱となる。寸法はトリッキーだが、体感的には十分に薄型といえる。約1.21kg(Core Ultra 7構成は1.27kg)と、14型ノートPCとしては軽量にまとまっている。
薄型な分、ポート類は最小限となっている。USB端子はThunderbolt 4(USB4)が2基だけで、それ以外はHDMI出力端子とイヤフォン/マイク端子のみとなっている。盗難防止ワイヤーを接続するためのセキュリティロックスロットも非搭載だ。ビジネス向けノートPCとしてはかなり思い切って省いている。
Thunderbolt 4端子はUSB PD(Power Delivery)による電源入力と、DisplayPort Alternate Modeによる映像出力にも対応する。Thunderbolt 3/4を含めて、ThinkPadのUSB Type-C端子は左側面に集中配備される傾向にあるが、利便性を重視する観点から本製品では左右両方に配置している。
なお、通信機能は標準でWi-Fi 7(IEEE 802.11be)対応無線LANと、Bluetooth 5.4を装備する。
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