バイオノート505、Power Macintosh、iPhone、Oculus──新しいデバイスに魅了されつづけた30年だった:私のPC遍歴30年(1/4 ページ)
「一目ぼれするPCって、あるんだ」──ライター/武者良太さんのPC遍歴30年を振り返る。
それまで勤めていた出版社を退社し、フリーのライター/エディター/カメラマンとして歩み始めた1995年。メディアの編集部から注文されたら、どんなオーダーでも「はい喜んで!」の精神で生き抜こうと決意を固めた年でもありました。本当に最初の頃は仕事がなく、バイク便で食いつないだからなあ……。
「私のPC遍歴30年」とは?
2024年9月にPC USERは30周年を迎えました。そこで日頃から弊誌で記事を執筆しているライター陣に「私のPC遍歴30年」と題して、自身のPCにまつわる過去を振り返ってもらいます。あなたにとっても「懐かしい」と感じる話題が飛び出すかも?
今回の著者:武者良太
1995年:Windows 95用マシンではなくMacを選ぶ
当時、手元にあったのは自作DOS/Vや「X68000 XVI」「PC-9801RX」など、今思えばぜいたくすぎるラインアップでした。しかし、Windows 95のブームを目の当たりにして「今持ってるマシンじゃ新しい仕事が請け負えなくなる! 刷新していかないと死ぬ!」と直感。そこで手持ちのゲーム機やシンセサイザー、MIDI機器を秋葉原の中古ショップに持ち込んで売りまくり、軍資金を調達しました。
そして購入したのが「Power Macintosh 7500」でした。この記事のために記憶を掘り出しながらリストアップして「なんでや……」と思ったけど、これには明確な理由がありました。DTP(Desktop Publishing)用だったのです。
当時頂いたお仕事の1つに、ゲームの攻略本がありました。メーカーから提供してもらった資料を元に作り上げるガイドブックみたいなものでしたが、編集さんからの「デザインも一括して受けてくれるなら、原稿料+デザイン代に色を付けるよ」の一言に、「QuarkXPress 3.31J」とフォントのセットで、7桁近いお金を注ぎ込みました。
しかし、この投資は大正解。2000年くらいになるまで、めちゃくちゃ働いてもらいました。彼がいなかったら、メディアでのフリーランス仕事をさっさと諦めていたと思いますね……。
同年に手に入れたカシオ計算機「QV-10」も印象深いですね。フィルムカメラはニコン「F3」「F-801s」を使ってきたものの、スイベル構造のレンズ部とディスプレイ付きという、デジカメじゃなければ作れない構造に魅力を感じたのです。
きれいな写真は望めなくて、旅行とかに持ち出すのはやはりF3でした。でも気になる雑誌や本のページを撮影してMac上で表示し、DTPデザインの参考にするなど、スキャナーとして大活躍してくれましたっけ。
1996年:ようやく手に入れた純度の高いWindows 95
翌年になって、やっとWindows 95搭載PCをゲット。当時お世話になっていた編集さんの紹介で、先輩ライターから1995年発売の初代VALUESTARことNEC「PC-9821V7」を譲り受けました。75MHzのPentium搭載機です。
Windows 95のアプリレビューの仕事で使っていくと、だんだんとさらなるパワーが欲しくなってきます。けれどもコイツには、ジャンパーの差し替えでベースクロックを50MHzから66MHzにアップできる裏技があったのです。
また、CPUの交換もサクッと行えるし、より高クロックな設定をするための改造もカンタン。メモリのSIMMソケットも4つあったし、Internet ExplorerやNetscapeと、一太郎などのソフトを同時に使っても耐えられるマシンとして、2000年くらいまで仕事に遊びにと活躍してもらいました。
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