Steam Deckで「GeForce NOW」を始める方法 思った以上に快適だが課題も(1/3 ページ)
NVIDIAのクラウドゲーミングサーバ「GeForce NOW」において、Valveのポータブルゲーム機「Steam Deckシリーズ」向けのクライアントアプリが登場した。リリースから2カ月少々たったが、試してみようと思う。
NVIDIAのクラウドゲーミングサービス「GeForce NOW」は、強力なGPUを持たないPCやスマートフォン、タブレットにおいてハイエンドゲームを楽しむ手段の1つとして人気を集めている。そんなGeForce NOWが5月末から、Valveのポータブルゲーム機「Steam Deck」シリーズに対応したことはご存じだろうか。
この記事では、手持ちのSteam DeckでGeForce NOWを楽しむまでの手順を紹介する。より快適な“ポータブル”PCゲームライフを楽しみたい人の参考になれば幸いだ。
そもそも「Steam Deck」ってどんなデバイス?
その名の通り、Steam DeckはValveのゲーム配信サービス「Steam」で配信されているゲームを楽しむために生まれたデバイスだ。2022年12月に液晶ディスプレイモデルが発売され、2023年11月には仕様を一部変更した有機ELディスプレイモデル(Steam Deck OLED)も発売された。
初代の発売から2年9カ月、有機ELディスプレイモデルの発売から1年10カ月が経過した本機だが、あえて画面解像度を1280×720ピクセルに抑えていることもあって、「場所を選ばずにゲームを楽しむ」という観点であれば「確認済みタイトル」なら今でも快適に遊べる。
全てのタイトルが「Steam Deck」で動作するとは限らない
Steam Deckは、Valveが開発した独自OS「SteamOS」を採用している。このOSはLinuxベース(もっというと「Arch Lunux」)をベースに作られており、Steamを利用するために必要なサービスがあらかじめ組み込まれている。
一方で、Steamで公開されているゲームタイトルのほとんどは、Windowsで動作することを想定して開発されている。そのため、SteamOSにはValveが開発した互換性レイヤー「Proton」が組み込まれており、WindowsネイティブのゲームはProtonを介して実行される。
Valveの調べによると、Steamで配信されているゲームのうち1万8000本以上はSteamOSで実行可能だという。しかし、全てのタイトルが正常に動作するとは限らない。加えて、Steam Deckの場合はハードウェアスペックの都合で動作が厳しいタイトルもある。
筆者がSteamでよく楽しんでいたのが、東日本旅客鉄道と音楽館が共同開発している「JR東日本トレインシミュレータ」なのだが、このタイトルは仕組みが仕組みだけにSteam Deckでの動作に対応していない。
ここ最近、いろいろ忙しく楽しめていないこのタイトルを、Steam Deckで持ち出して遊べれば……と思ったのだが、世の中はやはり厳しい。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
NVIDIA、Steam Deck向けの「GeForce NOW」アプリを提供開始
NVIDIAは、Valve製ポータブルゲーミングPC「Steam Deck」向けとなる「GeForce NOW」アプリの提供を開始した。
クラウドゲーミングサービス「GeForce NOW」で9月からBlackwell GPUを利用可能に 最上位のUltimateプランで
NVIDIAが、クラウドゲーミングサービス「GeForce NOW」のアップデートを9月から順次実施する。目玉は、最上位のUltimateプランで「GeForce RTX 5080」を利用できるようになることだ。
有機EL搭載でバッテリー容量もアップ! 新型Steam Deckを試して分かったこと
ValveのポータブルPC「Steam Deck」に、有機ELディスプレイを搭載した「Steam Deck OLED」が追加された。上位モデルの実機を入手したので、従来モデルとの違いを確かめた。
「Steam Deck」にOLEDディスプレイ採用の上位モデルが追加
Valve製ポータブルゲーミングPC「Steam Deck」のラインアップにOLEDディスプレイを採用した上位モデルが追加された。
6万円から買えるポータブルPC「Steam Deck」でAAAタイトルは快適に遊べる? 試して分かったこと
Valveが手がけるポータブルゲーミングPC「Steam Deck」で、AAAタイトルは快適に遊べるのか。ストレージは足りるのか。実際にプレイして試してみた。




