「Apple Watch」最新モデル完全レビュー! 「SE 3」の躍進と「Ultra 3」の進化、安定の「Series 11」(3/4 ページ)
Appleから、スマートウォッチ「Apple Watch」シリーズの新モデルが出そろった。エントリー向けの「SE 3」、標準モデル「Series 11」、最上位の「Ultra 3」を林信行さんが試してみた。
Apple Watch Series 11:洗練と機能性を両立した王道スタンダードモデル
5Gの通信も含めたSE 3の全ての機能を備え、以前のSeries 10より2倍ヒビ割れ耐性が強くなったIon-Xガラスコーティング、そして最長24時間のバッテリー動作時間(低消費電力モードで約38時間)を備えたのがApple Watch Series 11だ。
一部の先進的な健康機能を除くと、SE 3との機能差はグッと縮まったSeries 11だが、額縁の狭さや薄い本体、ディスプレイのエッジの美しさ、さらにはパッケージングなど外観のエレガンスさはもちろん、光沢の美しいチタニウムモデルが選べるなど選択肢の大きさも魅力となっている。表示されている文字盤は、新たに追加された「イグザクトグラフ」だ。時/分/秒を独立表示する精密時計の現代的解釈を表した文字盤となっている
前モデルのSeries 10からは順当で、やや控えめな進化ではある。5G搭載やバッテリー動作時間、英語圏ではワークアウトバディというワークアウト中にユーザーを励まし、統計を集約してくれるワークアウト用のアシスタント機能への対応、Ion-XガラスコーティングやwatchOS 26の新機能である新しい文字盤やスリープスコアへの対応が主なものだ。
正直、そこまで大きな進化ではなく、現時点でSeries 10を使っている人があえて乗り換える必要はない。
しかし、これから新たにApple Watchを買う人にとっては、Seriesモデルのそもそもの魅力としてSEを大きく上回る特徴が多い。
まず製品としての高級感が違う。製品のパッケージの品質にも大きな差があれば、パッケージを開けた際に本体が収まっているケースなども違う。製品開封の瞬間から「自分は質の高い良い製品を買ったんだ」という喜びがあふれていて感動が大きい。
製品そのもののデザインも微妙に異なっており、狭額縁で本体の縁ギリギリのところまで広がるディスプレイの美しさ、エレガンスといった点でもSeries 11の方が優れている(今回、なぜかSE 3の貸出モデルが大型の46mmモデルではなく、小型の42mmモデルが支給されたため、写真ではあまり直接的な比較ができていないので公式ホームページなどで確認してほしい)。
製品のバリエーションも多く、よりリーズナブルなアルミニウムモデルに加えチタニウムモデルがあり、こちらはディスプレイがさらに頑丈なサファイヤクリスタルで覆われている。
アルミモデルのバリエーションとしてNikeとコラボモデルがあり、チタニウムモデルのバリエーションとして10周年を迎えたエルメスコラボモデルがApple提供のものとして6種類用意されている(Appleは本革の使用をやめたためこれしか扱っていないが、エルメスのWebサイトにはAppleが把握していない本革ストラップを使ったバリエーションが多数ある)。
Series 11のディスプレイは、後に触れるUltra 3と同様に1秒に1回描き直しされるディスプレイなので、画面が暗くなる節電モード中でもちゃんと秒針が毎秒更新される。
SE 3の健康機能や緊急連絡系機能を全て備えた上で、さらに一歩進んだ健康機能として、心房細動を発見できるECG(心電図)機能、コロナ禍に大きな注目を集めた血中酸素ウェルネス機能も搭載している。
そして今回、Series 11限定の新機能として新たに追加されるのが「高血圧」の通知機能だ。
これは実際にApple Watchで血圧を測っているわけではなく、Apple Watch背面についた光学センサーで、心臓の鼓動に対して血管がどのように反応しているかを見て高血圧の兆候を見極めている。
Appleが持つ膨大な医療データを機械学習させた上での診断で問題があると思われる場合に、ユーザーにその兆候を知らせる。
高齢者の間で日常的に血圧を測る習慣が定着している日本で意味があるのか、と疑問視する専門家もいるが、「自分だけは大丈夫」と過信している人たちに気付きを与える効果はあるのではないだろうか。年内には日本でも提供予定だという。
Apple Watchの機能だけでなく、洗練や心地よさも身にまといたい人にはSeries 11の豊富なバリエーションから自分に合う1本を選ぶことをお勧めしたい。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
「AirPods Pro 3」先行レビュー 誰でも体感可能なレベルの音質向上は予想以上
Appleの「AirPods Pro 3」は、内部のSoCは先代から変わりないものの、中身はフルモデルチェンジと言っても過言ではないレベルで刷新されている。発売に先駆けて、その実力をチェックしてみよう。
「Apple Watch Series 11」登場 Cellurarモデルは5G対応 高血圧検知を新搭載(日本未対応)
Apple Watchの最新モデルが登場する。Cellurarモデルは5G対応を果たしたことが特徴だ。高血圧検知を新搭載したものの、日本では現時点で未対応となる。
「Apple Watch Ultra 3」発表 最大42時間駆動、衛星通信&5G対応 わずかに画面サイズアップ、2色展開
Appleが新モデル「Apple Watch Ultra 3」を発表した。情報は随時更新する。
廉価モデル「Apple Watch SE 3」9月19日発売、3万7800円から ディスプレイの常時表示、片手のジェスチャー操作が可能に
米Appleが9月9日(現地時間)、Apple Watchの廉価モデル「Apple Watch SE 3」を発表。9月19日に発売する。プロセッサにS10チップを搭載したことで、ディスプレイの常時表示、片手でのジェスチャー操作、Siriの高速化などが可能になった。18時間のバッテリー駆動時間を実現し、シリーズで初めて急速充電にも対応した。
「iOS 26」「iPadOS 26」「watchOS 26」を9月16日配信 新UI「Liquid Glass」採用
Appleが、「iOS 26」「iPadOS 26」「watchOS 26」を9月16日に配信する。いずれのOSもバージョンは26に統一されており、「Liquid Glass」という半透明素材をグラフィックに用いている。iOS 26はiPhone 11以降のモデルが対象となる。
