「iPhone Air」が放つ圧倒的オーラの正体に迫る 実機で確かめて分かった驚き(4/5 ページ)
Appleのスマートフォンに新モデル「iPhone Air」が加わった。ナンバリングモデルではない、注目の1台に林信行が触れた。
きれいな写真に仕上げることより、きれいに取り込むことに注力したカメラ
最近のスマートフォンのカメラで撮る写真は、AI処理によってかなりきれいになってきたが、AI処理によって肌がツルツルに塗りつぶされていたり、鮮やかな色が強調されていたり、場合によっては画素と画素の狭間で記録できなかった部分をAIが勝手に合成して作ってしまったりするものもある。
しかしiPhoneの写真は、できるだけレンズが捉えた像を忠実に再現することを目指しており、レンズなどのデジタルではないアナログな部分の光学設計の高品質化に力を入れている。
肌をツルツルにしたり、輪郭の粗い引き伸ばし写真をきれいに加工し直したりするといった写真加工は標準のカメラでやってしまうのではなく、別のアプリを使ってやってもらおうというのが基本スタンスで、それよりはそもそもの光学的に得られる情報を少しでも質が高くなるように力を入れている。
横から2人目が顔を出すと、自動的に横長の写真撮影に切り替わるセンターフレーム機能を搭載している。写真を撮影するセンサーは正方形で、カメラを縦に構えたままで縦長/横長、どちらの撮影にも対応し、同じ解像度で撮影できる
基本の設定で撮る分には、他のスマホで撮影した写真と比べて色味も正直でディテールも丁寧に再現されている印象を持った。
ただし、全くトレードオフがないわけではない。これだけ薄く軽く作ってあることもあり、搭載しているレンズは1つだけでProシリーズが備える望遠レンズはもちろん、iPhoneが真っ先に採用し、最近では多くのスマートフォンでスタンダードとなったものすごく近くからものすごく広い範囲を撮影できる超広角レンズの0.5倍ズーム撮影もできない。
iPhone Airの道を選ぶのであれば、あえてズームができない単焦点カメラを選ぶ潔さで、そこはきっぱり諦めてもらう必要がある。
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