「Apple Watch SE 3」実機レビュー ベーシックモデルとして「必要十分」な性能 進化した点や上位モデルとの違いは?:スマートウォッチ ナビ(2/2 ページ)
Appleのスマートウォッチでベーシックモデルとなるのが「Apple Watch SE 3」だ。約3年ぶりのフルモデルチェンジで何が変わったのか、実機をチェックした。
上位モデルとの違い
ここまで、SE 2と比べてSE 3で追加された機能などを見てきたが、本製品が廉価版であることに変わりはなく、上位モデルのSeries 11と比べると省かれている機能もあるのは事実だ。
健康管理関連では、心電図アプリと血中酸素の計測を行うことができない。また、水深50mまでの耐水性能は備えているが、Series 10/11にある水深計や水温センサーは非搭載だ。
水深計や水温センサーは日常的に使うものではなく、この機能がなくても困らない人が多いだろう。心電図と血中酸素濃度についても、健康な若い世代ならほとんど気にする必要はない。中高年なら、あれば助かるというシーンは増えるのだろうが、なくても困らないというのが実際のところだろう。
最後にバッテリー持ちに関しても触れておこう。SE 3のバッテリー持ちは、SE 2から変わらず最大18時間となっている。ただ、この条件は「300回の時刻チェック、90回の通知、15分間のアプリ使用、Apple WatchからBluetooth経由で音楽を再生しながらの60分間のワークアウトを行った場合」となっている。
実際に試したところ、GPSを使った約120分のウォーキング、睡眠記録、各種通知の確認という使い方で、丸1日使ったところバッテリー残量は48%となった。頻繁にアプリを操作したり、Apple Watchで音楽を聞いたりするともっと短くはなりそうだが、丸1日は持ちそうだ。
入浴中などに小まめに充電を行えば、充電切れの心配も減るだろう。ちなみに、Apple Watch上でApple Musicを使って音楽を再生したところ、60分で約12%のバッテリー消費となった。
SE 3は最大使用時間こそ増えていないが、高速充電には対応しており、約45分で最大80%、15分の充電で最大8時間の通常使用が可能だとしている。
多くの人にとって必要十分な選択肢
上位モデルのSeries 11は6万4800円からで、SE 3との価格差は2万7000円(Wi-Fiモデルの場合)ある。ガジェット好きで、最新機能が使える上位モデルでないと落ち着かないという人以外は、心電図や血中酸素濃度が本当に必要かどうかを考えてみるといいだろう。
心電図や血中酸素濃度の測定にこだわらないのであれば、多くの人にとってSE 3は十分な性能を持っている。チタンケースが欲しい、充電する暇がないので少しでも電池持ちがいいモデルが欲しい、気に入ったケースカラーがある、といった理由があるのなら別だが、そうでないならまずはSE 3を第1候補にすることをお勧めしたい。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
「Apple Watch」最新モデル完全レビュー! 「SE 3」の躍進と「Ultra 3」の進化、安定の「Series 11」
Appleから、スマートウォッチ「Apple Watch」シリーズの新モデルが出そろった。エントリー向けの「SE 3」、標準モデル「Series 11」、最上位の「Ultra 3」を林信行さんが試してみた。
「AirPods Pro 3」先行レビュー 誰でも体感可能なレベルの音質向上は予想以上
Appleの「AirPods Pro 3」は、内部のSoCは先代から変わりないものの、中身はフルモデルチェンジと言っても過言ではないレベルで刷新されている。発売に先駆けて、その実力をチェックしてみよう。
「Apple Watch Series 11」登場 Cellurarモデルは5G対応 高血圧検知を新搭載(日本未対応)
Apple Watchの最新モデルが登場する。Cellurarモデルは5G対応を果たしたことが特徴だ。高血圧検知を新搭載したものの、日本では現時点で未対応となる。
「Apple Watch Ultra 3」発表 最大42時間駆動、衛星通信&5G対応 わずかに画面サイズアップ、2色展開
Appleが新モデル「Apple Watch Ultra 3」を発表した。情報は随時更新する。
廉価モデル「Apple Watch SE 3」9月19日発売、3万7800円から ディスプレイの常時表示、片手のジェスチャー操作が可能に
米Appleが9月9日(現地時間)、Apple Watchの廉価モデル「Apple Watch SE 3」を発表。9月19日に発売する。プロセッサにS10チップを搭載したことで、ディスプレイの常時表示、片手でのジェスチャー操作、Siriの高速化などが可能になった。18時間のバッテリー駆動時間を実現し、シリーズで初めて急速充電にも対応した。


