VAIOのキッティングと修理は“ふるさと”で――担当者が語るメリットとは?(2/3 ページ)
VAIOの安曇野本社は、PCの開発/設計や生産だけでなく、キッティングや修理のサービスも行っている。開発/設計や生産と同じ場所で行うことには、大きなメリットがあるという。
キッティングサービスの「3つの特徴」
VAIOのキッティングサービスの特徴は、3つあるという。
1つ目は「頼まれたことは何でもやる」という姿勢だ。西澤部長は「各社ごとにOSやアプリケーションをインストールすることはもちろん、他社のマウスやディスプレイも仕入れて一緒に納品したり、お客さま固有のマニュアルを制作して一緒に納品したりといったことも行っている。PC管理用シールも、本社工場で作成して貼付するサービスを用意している。企業でPCを利用する際に必要な準備は何でもやる」と説明する。
なお、VAIOでは顧客の要望に応じて他社製PCのキッティングも行うケースもあるという。
2つ目がPCメーカーとしての品質へのこだわりだ。西澤部長は「キッティングを専業で行っている企業もあるが、VAIOは日本に開発/生産拠点を置く、日本のPCメーカーとしての特徴を生かして、徹底した品質を追求している」と、自信を示す。
キッティングサービスでは、OSのマスターイメージをPCメーカーならではの品質で作成できる。この作業は過去にOSの設計に携わっていた従業員がサポートしており、OSベンダーである日本マイクロソフトとの強い結びつきと併せて、Windowsに関する最新技術情報をもとにイメージを最適な状態に作り込めるという。
また、物作りの拠点でもある本社工場ならではの、生産工程で蓄積したノウハウを生かして「正しい作業」が行われていることを確認し、履歴を取った上で出荷する仕組みも確立しているという。
そして、3つ目はメーカーからの“直送”により、初回導入時の保管費/輸送費が不要であり、万が一の故障修理後も、工場内で再度キッティングして返却できるという点だ。
工場で完成したPCをそのままキッティングルームに移送することで、作業開始までの時間は大幅に短縮できる。例えば4月入社の新入社員が使用するために、PCを3月ギリギリに注文するという顧客も少なくないそうだが、工場と“直結”しているため、こういう注文にも対応できるという。
さらに、生産拠点と同じ敷地内でのキッティングは、コスト面でもメリットがある。修理が発生した場合も、同様に同じ敷地内で修理して再キッティングができるため、期間やコスト面のメリットが生まれる。履歴を元にOSやアプリを故障前の状況に“戻して”出荷可能で、その際にキーボードやバッテリーなどを新品に交換して出荷することもできるという。
LCMサービスはハードウェアからソフトウェアにも拡大
運用フェーズでは、LCM(Life Cycle Management)サービスについて、従来ハードウェア向けに提供していたものを、2025年11月からソフトウェア向けにも提供するようになった。
これまで実施してきたハードウェアLCMサービスは、「法人ユーザーが購入したPCの一部を予備機としてVAIOに預けておき、増員や人事異動などでPCが必要になった時に個別にキッティング作業を行って納品する」というものだ。
従業員の退職/異動/転勤などによって不要になったPCも、VAIOに送ると点検とクリーニングを行って再整備し、必要になるまで保管してもらえる。そして再び必要になるとキッティング作業を行い、最適な環境で必要な場所に送ってくれる。
一方で、新たに開始したソフトウェアのLCMサービスは、「OSのパッチ(更新)配信」「デバイスドライバの更新」「アプリケーションの更新」といったソフトウェアに関わる作業を、企業の情報システム部門に代わって行うというものだ。
西澤部長は「ソフトウェアLCMサービスは、PC本体の設計チームが持っているノウハウを生かしたものとなる。VAIOはPCメーカーの1社として、OSメーカーやドライバを提供するメーカーと緊密な情報連携を行っており、不具合が発生した時にはすぐに問い合わせて、対応策を検討できる環境を持っている。これらの強みを生かしたサービスだ」と説明する。
その上で、「『Microsoft Intune』を利用してOSやドライバ、更新パッケージなどを配信することでサービスを提供している。『Windows Update for Business』によるOSパッチの配信/管理を代行する他、ハードウェアのドライバ配信も併せて行う。さらに、OSのバージョンアップも実施し、特定ハードウェアに影響するWindows Updateの不具合にも適切に対応する。これらはお客さまが設定しているパッチ配信などのポリシーに準拠した形で実施することができる」とメリットを説明する。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
「VAIO SX14-R」の“ふるさと”見学記 ノジマグループ参画後も進化が続く“物作り”
VAIOのハイエンドモデルは、長野県安曇野市にある「安曇野本社」で生産されている。開発拠点でもある同地を見学する機会があったので、その様子を紹介する。
物作りのDNAで愉快に未来を作っていく――糸岡新体制が目指すVAIOの姿とは?
VAIOが報道関係者向けの企業説明会を開催した。今回の目玉は、糸岡健新社長の経営方針を聞けることにある。VAIOの“物作り”は、どのようになっていくのだろうか。
PC値上げの波はVAIOにも? 糸岡社長が明かす「マウスエフェクト」への対応とブランド価値の向上
PC USERでは、VAIOの代表取締役 執行役員社長の糸岡健さんにインタビューを行い、直近のPC販売について率直な思いを聞いた。その詳細をお届けする前に、概要をお届けしたい。
VAIOが現行モデルの「天板ロゴ」無償修理を実施 期間の定めなし
天板のロゴが剥がれたら無償で修理します――VAIOが「ロゴ品質保証宣言」を発表した。PCの機能には直結しない部分だがあ、メーカーとしてブランドを重要視することをアピールする狙いがある。- 業績好調なVAIOにノジマ社長は「課題あり」 その心は?


