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TV事業合弁化の裏で「音響」を残した理由とは? エンジニア出身・ソニー田中新社長の挑戦(4/6 ページ)

4月にソニーの社長 CEOに就任した田中健二氏は、エンジニアとしての長年の経験を背景に、ソニーを「感動を創る会社」と再定義する。本記事では、新体制の全貌を解き明かす。

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データ活用で広がる観戦スタイル

 スポーツエンタテインメント事業では、ファンエンゲージメント領域も重要な柱の1つになるという。

 その1つが、オルタナティブブロードキャストである。実際の試合における選手やボールの動きをトラッキングし、アニメ作品などの世界観の中で再現し放送する取り組みだ。

 2025年11月には、NPBエンタープライズおよびサンリオとの協業により、「Let's Play Baseball 〜サンリオキャラクターズとふしぎな試合〜」を配信。2025年9月19日に東京ドームで行われた読売ジャイアンツ対広島東洋カープ戦を、サンリオのコンテンツの世界観で、プレーを再現した。


NPBエンタープライズやサンリオとのコラボで実現した「Let's Play Baseball」

実際の選手やボールの動きのプレーデータを用いて、新しい映像体験を実現している

 また、NPB公式アプリである「NPB+」の正式サービスを、2026年2月から開始した。Hawk-Eyeのトラッキングデータを活用し、セ・パ両リーグの公式戦、クライマックスシリーズ、日本シリーズの全試合を、プロ野球ファンの新たな観戦スタイルとして提供している。


NPB+は、2026年2月から正式サービスを開始している

NPB+の画面

 ファンコミュニティーへの取り組みでは、ソーシャルエンタテインメント空間の提供などを通じて、スポーツファンコミュニティーの活性化を実現するサービスを提供するという。

 「オルタナティブブロードキャストなどの仕組みを使ってもらい、スポーツコンテンツの活用の場を広げていく。ここでは、コンテンツホルダーとのジョイントベンチャーによる取り組みも進める。視聴体験のさらなる拡張と、スポーツファンの拡大に貢献したい」と述べた。

映像制作の現場を変革するカメラ群――現実と仮想を融合する技術

 もう1つの注力領域が、ニューコンテンツクリエイション事業である。


注力領域の「ニューコンテンツクリエイション事業」

 空間コンテンツ技術を活用して2次元や3次元に対応し、現実世界のものをバーチャルに展開することで、高精細なデジタルツインを実現する。これらをエンタテインメント分野において活用することになる。


バーチャルプロダクションによって、空間コンテンツ制作を支援する

 ニューコンテンツクリエイション事業は、シネマ用カメラの「VENICEシリーズ」や「FXシリーズ」を担当するCinema Line事業部門、XYN空間キャプチャーソリューションなどのXR事業部門、Crystal LEDやOCELLUSなどを取り扱うVisual Creation事業部門、空間コンテンツの制作などを行うソニーPCLで構成している。

 ハードウェアとソフトウェアを組み合わせて、全てのコンテンツを空間化することを目指すという。

 現在、ストリーミング市場でのVENICEシリーズのシェアは34%にまで拡大した。FXシリーズの販売台数は右肩上がりで成長しているという。


フラッグシップモデルであるCineAltaカメラ「VENICE 2」に加え、Cinema Lineカメラのラインアップや各種照明機材などを備えている

シネマ用カメラは、空間コンテンツ市場にも拡大を図る

 「シネマ用カメラは、シネマ分野における既存事業を成長させるだけでなく、今後はさまざまな産業への拡大や、空間コンテンツにおいて、新規事業の創出にも取り組む」とした。

 また、カメラトラッキングシステムの「OCELLUS」は、IRマーカーや固定カメラを事前設置することなく、5基のセンサーで広範囲の特徴点を捕捉し、屋内や屋外、暗所でも使用が可能であることから、いろいろな現場での採用が進んでいることも示した。


カメラトラッキングシステムのOCELLUSは、いろいろな現場での採用が進んでいる

立体的な仮想空間にペンを置くと、その視点からの映像が表示される

俯瞰式空間コンテンツ制作ツールの概要

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