検索
インタビュー

TV事業合弁化の裏で「音響」を残した理由とは? エンジニア出身・ソニー田中新社長の挑戦(6/6 ページ)

4月にソニーの社長 CEOに就任した田中健二氏は、エンジニアとしての長年の経験を背景に、ソニーを「感動を創る会社」と再定義する。本記事では、新体制の全貌を解き明かす。

Share
Tweet
LINE
Hatena
前のページへ |       

「自由闊達」な文化が生む現場感と新たな“ソニーの見せ方”

 田中氏は、ソニーの特徴を「自由闊達」と「オープン」な組織文化だと語る。


田中氏が重視する組織文化

 社内ではボトムアップでの活動が積極的に行われており、社外との共創活動も積極的だ。

 「ソニーには、現場に行き、クリエイターやアスリートたちと、直接会話をしながら、課題解決の期待に応えている社員が多い。課題解決の成果を、現場で目の当たりにすると、社員のモチベーションがさらに上がる。こちらが止めるのが大変なぐらいだ」と笑う。

 ここにも、田中社長が語る「現場感」が生きている。「現場の困りごとを聞き、解決できる状況ができ始めている」と手応えを示す。

 一方で、ソニーの見せ方を変えていかなくてはならないとも語る。

 「従来のソニーは、『ハードウェア』という、いわば『形』があるものを見せていた。しかし、今は形のあるものだけでなく、ソニーのサービスやコンテンツ、IPの素晴らしさを理解してもらうことが大切だ。お客さまは、ハードウェアのソニーと、ソフトウェアのソニー、コンテンツのソニーを分離して見ていない。ハードウェア/ソフトウェア/コンテンツが一緒になって、面白いことをする会社だと思ってもらうことを目指したい」と述べた。

 今後は、ソニーグループが持つ幅広いエンタテインメントとの連携も強みになるとした。

 では、田中社長体制になって、ソニーはどう変化するのだろうか。

 田中社長は、前任の槙公雄社長(現会長)時代に、自らが経営チームの一人であったことを示しながら、「基本的な考え方は、大きくは変わらない」とする。

 その上で、「クリエイションに対する『研ぎ澄まし』が強くなるタイミングに入ることになる。ソニーは『種まき』の会社である。テクノロジーに関して、まいてきた種を育て、種まきの取り組みを完遂させるとともに、2027年度からスタートする第6次中期経営計画においては、クリエイションを研ぎ澄ませた新たなポートフォリオによって、事業を進めていくことになる。クリエイションファーストが、オペレーションファーストになる」と述べた。

 注目されるのは、同社が掲げている営業利益率10%の目標達成だ。目標としているのは、2027年度である。2025年度のエンタテインメント・テクノロジー&サービス(ET&S)の営業利益率は7.0%だ。

 田中社長は「ホームエンタテインメント事業の再編など、新たな体制への移行もあるが、この目標は下さない。利益面でも研ぎ澄ますことになる」とした。

 2027年度からは、新たな中期経営計画がスタートする。そこに向けて、田中社長体制では、どんな経営指標を打ち出すのかにも注目が集まる。

 田中社長にとって1年目となる2026年度は、新たな経営指標に向けた発射台の高さを確定する1年にもなる。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

前のページへ |       
ページトップに戻る