PlayStationブランドの27型/240Hz対応、DualSense充電フック付きゲーミングディスプレイを試す INZONEとの違いは?(2/3 ページ)
SIEの27型QHDゲーミングディスプレイ「CFI-ZDM1J」をレビューする。DualSense充電フックなどの工夫や、PS5との連携、PC接続時の240Hz対応など、デスク環境を快適にする本機の魅力をチェックする。
ゲーマーのデスク環境を便利にする「DualSense充電フック」
他の製品にはないCFI-ZDM1Jの特徴として、DualSenseの充電フックを備えている点が挙げられる。これは単なるコントローラーの置き場ではなく、デスク上のエコシステムを再構築するための極めて実用的なギミックだ。
本体背面下部に搭載されたこの専用フックは、普段は9時方向または3時方向に向けて収納しておき、使いたいときだけ6時方向に下ろす。
DualSense ワイヤレスコントローラーおよびDualSense Edge ワイヤレスコントローラーに搭載されている電子接点をフック側の電子接点に置くだけで、そのまま収納と同時に充電が行われる。
これにより、デスクトップでゲームをプレイするユーザーの永遠のテーマだった「コントローラーの置き場所」と「充電ケーブルの煩雑さ」「充電忘れによるゲームの中断」といった問題とおさらばできる。
もちろん、DualSenseシリーズはPS5およびPCに対応しているので、PCゲーマーもこのメリットを享受できる。ゲームをコントローラーでよくプレイするゲーマーほど、この利便性を存分に体験できるだろう。
映像美と実用性の黄金比:QHDとIPSパネルの選択
CFI-ZDM1Jのディスプレイ解像度は、流行の4K(3840×2160ピクセル)ではなく、QHD(2560×1440ピクセル)が採用されている。
PS5やPS5 Proは4K出力に対応しているプラットフォームであるため、一見するとこの仕様はダウングレードに感じられるかもしれない。実際にSNSなどでは「なぜ4KやOLED(有機EL)ではないのか」という声も見掛けた。
しかし、27型という画面サイズとデスクトップ環境での視聴距離を考慮すると、QHD(2560×1440ピクセル)という解像度が理にかなっているともいえる。
仮に27型ディスプレイで4K(3840×2160ピクセル)を採用した場合、ピクセル密度(PPI)は非常に高くなるものの、PC接続時においてOSの表示スケールを拡大しなければ文字が小さすぎて読めないといった弊害が生じやすくなる。一方でフルHD(1920×1080ピクセル)では、画面への距離が近いデスク環境においてピクセルの粗さが目立ってしまう。
QHD(2560×1440ピクセル)は、フルHDの約1.77倍の情報量を持ち、27型ディスプレイにおいて最も視認性と精細感のバランスが良い解像度とされている。PS5はシステムアップデートによって1440p(QHD)出力にネイティブ対応しており、CFI-ZDM1Jとの組み合わせにおいてはダウンスケールや引き伸ばしといった処理を挟むことなく、鮮明でシャープな映像を描写することが可能だ。
パネル方式には広視野角を誇るIPSが採用され、色域はデジタルシネマ向けの規格であるDCI-P3を95%カバーしている。自然な発色と長時間の使用でも目が疲れにくい安定性は、ゲームだけでなく日常的なPC作業や動画視聴を兼用するユーザーにとって非常に扱いやすい。
さまざまなゲームタイトルをテストプレイしてみたが、発色や映像などに違和感はなく、IPSパネルのディスプレイとしてなんら不満はない。ディスプレイのレビューであることを忘れてしばらくゲームをプレイしてしまったほどには、映像に癖がないため、多くの人におすすめできる仕上がりだ。
一部のハイエンドユーザーに向けた“とがった”スペックではなく、多くの人が“ちょうどいい”と感じるスペックが選択されていると判断できる。
PS5との強力な連携:Auto HDR Tone Mapping
CFI-ZDM1JはHDRに対応しており、輝度は350ニト、コントラスト比は1000:1というスペックを備えている。輝度自体は一般的なミドルクラスの標準的な数値であり、ローカルディミング機能は搭載されていないため、ハイエンドなHDR体験を求めるユーザーにはやや物足りない側面があるのは事実だ。
しかし、CFI-ZDM1Jの真価はPS5本体とのソフトウェア・ハードウェア連携にある。PS5およびPS5 Proを接続した際、初期設定時に自動的に最適なHDR設定が行われる「Auto HDR Tone Mapping」機能に対応している。
通常、HDR対応ディスプレイを導入した際は、ゲーム機側の設定画面で画面の明るさの最大値や最小値をユーザー自身が手動で微調整する必要がある。しかしCFI-ZDM1Jでは、PS5がモニターのスペックを自動認識し、白飛びや黒つぶれを防ぐ最適なトーンマッピングを瞬時に適用してくれる。このシームレスな体験こそが、PlayStationブランド製品の最大の武器となるだろう。
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