まるで“狂気の沙汰”──ジョブズ時代のAppleを感じさせる「iPhone Duo」のヒンジと製造工程:本田雅一のクロスオーバーデジタル(4/5 ページ)
Apple初の折りたたみスマホ「iPhone Duo」。1台ごとにヒンジの個体差を測り、樹脂を印刷して折り目を消す“狂気”の量産工程に迫る。ハードとソフトが融合した唯一無二の端末は、今後のAppleの試金石となるか。
採算よりもブランドの象徴か
その工程は、コストと速度をそのまま食う。全数スキャンと全数の3Dプリントをラインに挟めば、タクト(1台あたりの生産ピッチ)はその工程で律速される。iPhone 18 Proが9月18日に発売されるのに対し、iPhone Duoの発売が5週間後の10月23日であることは、これと無関係ではないはずだ。
折り曲げ試験の回数は公表されていないが、インナーディスプレイの修理はAppleによると米国で99ドル(AppleCare+加入時)だが、未加入時の修理費は執筆時点で公表されておらず、パネルを交換したときに1台ごとの補正を店頭で再現できるのかも分からない。
厚さと軽さなら、7月に出た「Galaxy Z Fold8」(開いて4.5mm、約201g)の方がiPhone Duo(5.2mm、254g)より先を行く。さらに、36万4800円という価格では、iPhone Duoが台数を稼ぐ製品にならないことは、Apple自身も分かっているだろう。
Appleは、今秋のラインアップについて「ユーザーに選択肢を与えること、そして出す前にきちんと準備ができて完成したものしか出さないこと」という方針に集中していると語ったが、どれだけ多くのiPhone Duoを販売したいといった話は出てこなかった。
ユニボディを量産工程で正当化できたのは、それが「1つの部品」という結果を出す唯一の方法であり、MacとiPhoneを唯一無二の製品に引き上げる鍵となる技術だったからだ。今回のヒンジに採用する技術も、採算よりもAppleというハードウェアメーカーのブランドを象徴する要素だからに他ならない。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
「iPhone Duo」発表 Apple初の折りたたみ、Apple Pencil対応、インカメラは埋め込み型でTouch ID採用 10月23日発売、36万4800円から
Appleが新型スマートフォン「iPhone Duo」を発表した。情報は随時更新する。
折りたためる「iPhone Duo」と「iPhone 18 Pro」シリーズ発表 「iPhone 18」は登場せず
Appleが2026年9月の新型iPhoneを発表した。この記事では、その概要をまとめる。【更新】
「AirPods 5」登場 アクティブノイズキャンセリングを標準化して2万3800円から
Appleのワイヤレスイヤフォンのメインストリームモデル「AirPods」に第5世代モデルが登場する。アクティブノイズキャンセリング(ANC)が標準搭載されたことが大きな特徴で、
「iPhone Duo」は36万4800円からで2TBは57万円強、「iPhone 18 Pro」は21万9800円から
Appleが9月10日、「iPhone 18 Pro」「iPhone 18 Pro Max」と折りたたみ型「iPhone Duo」のApple Storeでの価格を公開した。iPhone 18 Proは21万9800円から、iPhone Duoは36万4800円からだ。継続販売のiPhone 17/Air/17eも値上げした。
「macOS 27 Golden Gate」は9月15日リリース Apple SiliconのMacに対応
Apple Silicon向けMacの最新OSが、9月15日にリリースされる。Apple Intelligenceをより活用しやすくしていることが大きな特徴だ。
