「iPhone Duo」は開けばiPad、閉じればiPhone? いいえ「別ジャンル」です──使うと見えてくる、Appleが考える「フォルダブルスマホ」の流儀:本田雅一のクロスオーバーデジタル(3/6 ページ)
Apple初のフォルダブルスマートフォン「iPhone Duo」がまもなく発売される。発売に先んじて試用したところ、Appleの目指す「フォルダブルスマホ」の形が見えてきた。
「iPhone Duo」はどんなシーンで使いたくなる?
では、iPhone Duoはどのようなシーンで使いたくなるのだろうか。
メールを開いて内容を確かめて、短く返す――この程度なら、iPhone Duoのアウターディスプレイだけでも足りる。むしろ、使い慣れた今までのiPhoneの方が便利だと感じるかもしれない。そもそも、完全に画面を開くと、落としそうで不安になる。
閉じたままで目的が達成できるなら、交通機関の中などでわざわざ両手を使って端末を使う理由はない。しかし、コンテンツを見たり、軽い返信作業くらいなら、軽く折り曲げた状態で開いてホールドする感じで使えそうだ。手のひらにフィットし、親指などを掛けておける。
メールでいえば、返事を作るために別のメールやWebの閲覧、スケジュールなどの情報を参照するときに、メールと自分の予定を見比べて、添付資料を参照しながら文章を整える。返信を書き始めてからいろいろな情報を何度も行き来しながら確認することがなくなり、自然に作業が進んでいく。iPhone Duoの大画面は、こうした日常のちょっとした作業で効いてくる。
もちろん、「iPhoneでメールを何通も処理したり、文書を落ち着いて作成したりする場面がiPhoneで多いのか?」という疑問は当然出てくるとは思う。定型的な短文が中心なら、慣れたiPhoneの片手入力の方が楽な人もいるだろうし、「Typeless」のような音声での返信を助けるツールもある。
利用シーンごとにiPhone Duoの価値や評価が分かれるのは間違いない。
一方で、多くの資料を扱う場合におけるiPhone Duoの利点は大きい。PDFを大きく表示したり、複数アプリを連携させる作業では冒頭で紹介したドラッグ&ドロップが生きてくる。
ここまで読み進めた読者は薄々感じているだろうが、iPhone Duoには「iPhone」という名前が付いてはいるものの、実質的には利用シナリオが異なる、別ジャンルの製品だ。UIの実装や機能の方向性は、閉じている時と開いている時では異なる。先に言った通り、従来と同じ使い方をするだけなら、iPhone 18 Proシリーズの方が成熟度は高く、快適に使える。例えば地図アプリで現在地と目的地を確かめるだけなら、アウターディスプレイで困ることはない。
画面を開いたときの良さが出るのは、周辺を広く見たい場合や、別の情報と照合したい場合だ。店の情報を地図と見比べつつ、集合場所を決めるといった場面を考えると分かりやすい。
AIアプリや細かい図を見る場面でも便利
iPhone Duoは、AIアプリとの組み合わせにも可能性を感じる。「ChatGPT」や「Claude」を片側に、もう片側に資料などを置く使い方だ。回答を読んで終わりにせず、元の記述に当たりつつ、次の質問を考える。AIが返した要約と原文を照合するなら、両方が残る画面には意味がある。
また、細かい表や図を読む場面では大画面を使える意味は大きい。アップデートで対応する予定の「Apple Pencil」を組み合わせれば、なおさらかもしれない。
もちろん、写真と動画は、閲覧が作業効率以前に見ていて楽しい。アスペクト比4:3の写真を広い表示面へ出したときの印象は、iPhone Duoの良さが最も伝わりやすい部分だ。純粋に美しく迫力がある。
内外の画面でアスペクト比がそろう点も、写真を扱う際には自然に感じられる。開いた途端にまったく違う形の窓へ移った印象が小さい。
購入時のコストの高さを、エンターテインメント性だけで許容するのは難しいかもしれない、純粋に“欲しい”という欲望をかき立てるだけの品質はある。
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