インフラの質が競争の矢面に――ROAがモバイル市場の予測リポートを発売
ROAが日本のモバイル市場の分析や今後の予測をまとめたリポートを発売。端末や料金の差別化が難しくなり、スマートフォンの普及でコンテンツのリッチ化や常時接続制が求められる中、インフラが差別化要因として見直されると分析している。
ROAは2月25日、2010年の日本移動体通信市場における10大トピックを選定し、独自の分析と予想を盛り込んだリポート「2010年日本移動体通信市場の予測〜10大トピック分析を中心に〜」を発売した。価格はPDF(CD-ROM)および印刷版が9万9750円、PDFと印刷板のセットが10万2900円。
リポートの概要
キーワード1:「コンテンツの多様化とパーソナライズ化」
1.ユーザーの利便性を高めるPush型サービスの拡大
2.AR(拡張現実)利用環境の発達
3.ライフログビジネスの開花
4.異業種参入によるオープンマーケットの一般化
キーワード2:「脱ガラパゴス化するデバイス」
5.Androidの反撃
6.携帯UXのパーソナライズ化
7.「サード・カテゴリー」にみるモバイル端末の多様化
キーワード3:「インフラ再競争時代」
8.3G技術と多彩な無線技術の連係
9.再注目されるセンサーネットワーク
10.キャリアの異業種企業との提携促進
リポートでは、「コンテンツの多様化とパーソナライズ化」、「脱ガラパゴス化するデバイス」、「インフラ再競争時代」という3つの要素を軸に、市場への影響を予測。利用者が料金やサービスを熟知して自分に最適なものを選ぶ“スマートユーザー時代”が到来し、そうしたユーザーが「料金」「端末」「コンテンツ」「インフラ」の4要素で優位性を判断していると分析する。
このうち、「料金」に関しては定額料金の価格競争が下げ止まりとなり差別化が難しく、「端末」はスマートフォンを除いてハイエンドモデルの差別化ポイントが注目を集めきれていないと指摘。「コンテンツ」は、スマートフォンの普及とともにアプリケーション市場が過熱するなど今後も注目されるが、これらコンテンツのリッチ化や常時接続性を支える「インフラ」の要素が、差別化要因として見直されるようになるとしている。このため、キャリアやサービスプロバイダだけでなく、メーカーにとってもインフラ対策が重要になると同社は分析している。
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