美少女がTwitterを読み上げ? KDDI研、Android向け音声合成ソフト「N2」を開発
KDDI研究所がAndroid向け音声合成ソフトウェア「N2」を発表。テキスト読み上げ機能として無償提供するほか、美少女キャラが登場する読み上げ機能付きウィジェットアプリも提供する。
KDDI研究所は9月12日、Androidスマートフォンで動作する日本語音声合成ソフトウェア「N2(エヌツー)」を発表した。Androidマーケットで15日から、「N2 TTS」を無償提供する。また、同じ技術を利用した美少女キャラクターのウィジェットアプリ「ささやくヤーツ」も同日より無償提供する。
N2は、省メモリ設計でスマートフォンでも軽量に動作する日本語音声合成ソフトウェア。Androidのテキスト読み上げ機能に準拠しており、設定すれば各種の対応アプリでN2の日本語読み上げ機能が使えるようになる。Android 2.1/2.2/2.3を対象とする。
独自の合成処理の軽量化技術に加え、名古屋工業大学の徳田恵一教授らが提案する「HMM音声合成方式」を採用し、音声の品質を保ちながらデータベース容量を大幅に縮小。ライブラリのサイズを数Mバイト単位にまで軽量化した。そのため、Android端末上では難しかった多彩な声質データの保持や、テキスト解析など音声合成以外の処理との同時利用が容易になった。
同時配信するささやくヤーツでは、口癖をもったキャラクターがショートメッセージやTwitterを読み上げたり、バッテリー残量や電波状況といったステータスのの変化を教えてくれる。キャラクターは東京コミュニケーションアート専門学校とのコラボレーションにより誕生した。9月15〜18日まで行われる「東京ゲームショウ 2011」の同専門学校ブースで、同アプリが展示される。
N2 TTSでは男性、女性の2種類から読み上げ機能を選択でき、ささやくアーツでは男女2種類のキャラクターを用意する。また、新たに声やキャラクターを有料で追加するサービスを11月末ごろを目処に開始する予定だ。そのほか、テキスト読み上げ機能のAPIでは実現できないN2の活用を考える企業に対しては、ソリューションを提案していくという。
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