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ドコモ版iPhone、加藤新体制でも方針は変わらず
6月20日に社長就任会見を行ったNTTドコモの加藤薫氏。新体制でも、iPhoneの投入に関する考え方は変わらないようだ。
6月20日、社長就任会見を行ったNTTドコモの加藤薫氏に、社長会見ではおなじみの質問が飛んだ。「加藤体制になり、iPhoneに対する考え方は変わったのか」というものだ。加藤氏は「基本的にはあまり変わらない」と答えている。
ドコモは、ネットワークの土管化を避けるためにさまざまな施策を講じているが、キャリアのサービスが入り込む余地がほとんどないiPhoneやiPadを投入すれば、自社のネットワークを土管として使われることになる。それを避けたいという思いから、iOS端末の投入に慎重になっている。「(ドコモは)次の成長はクラウドと端末が担うと考えている。いろいろな形の端末とクラウドがあいまったサービスを展開したいと考えており、(端末とサービスが)セットされているものがドミナント(支配的)になるのは好ましくないと考えている」(加藤氏)
また、一定の年間販売台数を約束する可能性があることもハードルになっているようだ。「ラインアップの1つとしては、ぜひそろえたいとは思うが、状況が整わない」(同)。ただ、「条件が変わってくれば、金輪際いやだということではない」とも話している。
KDDIは社長交代に伴い、スマートフォンへのシフトを鮮明にするなど戦略の転換を図ったが、NTTドコモは「(前社長の)山田は企業としての原則をきっちり実践しており、体制は変わらない。継続こそが力だと思っている」(加藤氏)と、戦略の基本路線は変えない方針だ。
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