スローガンは「スピード&チャレンジ」、“七分でよし”のマインドも――ドコモ“加藤体制”がスタート
「お客様に“七分のところ”で問いかけ、そこから磨き上げて100%のサービスにもっていく」――。加藤新体制では、こんなスピード経営でスマートライフの実現に向けたサービス開発を加速させる。
「スマートフォンとクラウドの連携でさまざまなサービスが展開される中、お客さんのニーズは変化し、高度化する。スピード感をもって、それに応えていきたい」――。NTTドコモの代表取締役社長に就任した加藤薫氏は、新体制の方針をこう説明した。
同氏は、ポケットベルや自動車電話、航空機電話、携帯電話などの移動体通信ビジネスに30年にわたって関わってきた実績を持つ。こうした経験を生かして、今や社会インフラとなった移動体通信網のネットワーク基盤をの高度化を図るとともに、利用者が便利さや充実感を実感できるモバイルサービスの提供を目指す。
掲げるスローガンは「スピード&チャレンジ」。変革のただ中にあり、国内外での競争が激化しているモバイルの世界で、「スピード感をもって、好奇心豊かに新しいものに挑戦していきたい」と加藤氏は意気込む。
技術やサービス、ビジネスモデルが日進月歩で進化し、変化するモバイル業界では、今や、“最初から100%を目指す”のではライバルに後れをとることにもなりかねない。そのため、加藤氏は“七分でよしとする”概念も業務に取り入れるという。「お客様に七分のところで問いかけ、いろいろお叱りをうけながら磨き上げて100%のサービスにもっていく」(同)。こうしたスピード経営で、ドコモの技術力や研究開発力を生かしたスマートフォン時代の新サービスを提供していく考えだ。
もう1つのビジネスの柱となる、“モバイルを軸とする融合サービス”についても、8つの分野を定義し、さまざまな産業と融合しながらモバイルの用途を広げたいと話す。「いろいろな組み合わせや融合で、新しい価値が出てくるのではないかと思っている。この時代に適した、便利で充実した生活を実現させたい」(同)
今年で20周年を迎えるドコモは、人間に例えると成人式を終えたところだが、すでに企業としては大きな成長をとげている。加藤氏は、大企業体質の弊害ともいえる「叱られたくない、失敗したくないという思いから、新しいことへの挑戦に逡巡する」といったマインドは、できるだけ早く払拭したいとしている。
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