モバイル位置情報サービス、市場規模拡大へ――広告、マーケティングの需要で:調査リポート
調査会社のBerg Insightは11月28日、位置情報サービス(LBS)市場の動向予測を発表。今後は広告、マーケティング分野での活用が進むとみられ、市場規模は拡大傾向にある。
調査会社のBerg Insightは11月28日、位置情報サービス(LBS)市場の動向予測を発表した。世界のモバイル位置情報サービスの市場規模は、2012年の2億ドルから2017年には3億3000万ドルに拡大すると予想している。
モバイル端末の位置情報サービスは、GPSやWi-Fiを搭載するスマートフォンの普及により、一気に拡大すると予想される。Berg Insightでは、測位のためのゲートウェイモバイル位置情報センター(GMLC)/サービングモバイル位置情報センター(SMLC)、SUPL A-GPSサーバなどのモバイルLBS技術、それにオペレーター側が実装するミドルウェアを調べた。
調査によると、非常時の対応や合法的な傍受命令がLBS市場の最大の牽引役になるという。これにより通信事業者は、位置情報プラットフォームへの投資を余儀なくされているという。
それに比べると、企業が提供する商用サービスは通信事業者のLBSプラットフォームにそれほど影響を与えないとBerg Insightは指摘する。それは現在、商用LBSサービスで主流となっているのが、端末内蔵のGPSやWi-Fiを利用した位置情報サービス、サードパーティのCall-IDデータベースなどであり、ネットワーク側に大きな投資を必要としないためだ。しかし通信事業者は、広告やマーケティング、分析などといった新たなサービスの提供に向け、大規模な位置データの収集と利用に関心を示しているという。
この分野では、Ericsson、TeleCommunication Systems、CSR、Broadcom、Qualcommなどのチップセットメーカーや位置情報プラットフォームベンダーが技術開発を手がけている。今後は、屋内カバーエリアの拡大に向けたと、屋内外の位置情報をシームレスに使えるようにする技術が重要になると予想され、各社が取り組みを進めているという。
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