東電が電源供給元を決める入札を開催へ、募集概要を公開:電力供給サービス
東京電力は260万kWの電源を供給する業者を入札で決める。東京電力の再建計画である「特別総合事業計画」の規定に従うもので、より安価に電力を調達することを狙っている。
今回募集するのは260万kWのベース型電源。供給期間は2019年6月から2021年6月。ベース型電源とは、1日中一定のペースで供給を続ける電力。全国の電力会社では現在、石炭を燃料とする火力発電所からの電力がベース電源となっている。今回の募集では年間利用率が70〜80%であることと指定している。
経営難に陥っている東京電力では、「特別総合事業計画」という再建計画を立てている。この計画では火力発電所を新築あるいは建て直す必要に迫られたとしても、他の事業者から電力を購入することで電力需要に応えるように定めている。発電所の建造コストなどの設備投資負担を最小限に抑えることが狙いだ。
資源エネルギー庁も「新しい火力電源入札の運用に係る指針」を2012年9月に公開している。この指針は一般電気事業者が電源を調達する際に、業者間の競争が働くことを狙ったもの。新電力なども参加する入札で供給元を決めることによって、電気料金の低減と電力の安定供給を達成することを目指している。
今回の募集では入札前に、東京電力が「平成24年度電力卸供給入札募集要綱案」を作成し2012年11月13日に公開する。その後、この要綱案に対する意見を広く一般から募る。集まった意見は可能な限り要綱案に反映させるとしている(図1)。
一般からの意見を反映させた要綱案は中立的機関が確認し、問題がなければ要綱案に従った入札実施となる。
要綱案公表以降のスケジュールは以下の通り。意見募集期間が11月27日まで。意見に対する回答は12月上旬に公開する。中立的機関による要綱案のチェックは12月上旬から2月上旬までかかる予定。要綱が固まったら2月上旬から5月下旬まで入札参加者を募る。その後、落札候補者を選び中立的機関が決定した要綱に従って落札候補者を選んでいるかどうかをチェックし、7月下旬に落札者決定となる。
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