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富士山を見晴らすメガソーラー、世界文化遺産を背景に発電開始:自然エネルギー
静岡県の観光名所「三保松原」に隣接する臨海工業地域で、中部電力の3番目のメガソーラーが運転を開始した。8MWの発電能力を生かして2300世帯分の電力を供給する計画だ。14万平方メートルの敷地に展開する太陽光発電設備からは雄大な富士山を眺めることができる。
中部電力が「メガソーラーしみず」の営業運転を1月15日に開始した。富士山の南西40キロメートルほどの場所にあって、すぐ近くには「三保松原(みほのまつばら)」が広がっている(図1)。三保松原は世界文化遺産に登録された富士山の構成資産に含まれていて、景観の素晴らしさで知られる観光名所だ。
メガソーラーしみずでは整然と並んだ太陽光パネルの先に、雄大で美しい富士山の姿を見ることができる(図2)。工事を開始したのは2012年10月で、三保松原を含む世界文化遺産の認定が2013年6月だったことから、メガソーラーの建設は周辺地域の景観に影響を及ぼさないものとみなされたわけだ。立地自治体の静岡市は再生可能エネルギーを推進するシンボルに位置づけている。
発電能力は8MW(メガワット)で、中部電力のメガソーラーでは最大の規模になる。年間の発電量は840万kWhを想定していて、一般家庭で2300世帯分の電力を供給することができる。この発電量は設備利用率(発電能力に対する実際の発電量)を太陽光発電の標準値12%で計算している。静岡県の太平洋沿岸は全国でも有数の日射量に恵まれた地域で、想定を上回る発電量が期待できる。
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