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注目を集める「低圧系統用蓄電池」、ファーウェイが投入する新製品の強みとは?需給調整市場の一次調整力要件にも完全対応

需給調整市場の制度改正を受けて、今大きな注目を集めている低圧系統用蓄電所。ファーウェイ・ジャパンが開催した「低圧系統用蓄電池ソリューションセミナー」では、注目の新製品や蓄電所事業における現場目線でのさまざまなノウハウが紹介された。

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 2026年4月から、連系出力50kW未満の低圧エネルギーリソースが需給調整市場へ参入可能になったことを受けて、低圧系統用蓄電所が新たな市場として立ち上がろうとしている。こうした状況を踏まえ、ファーウェイ・ジャパン(華為技術日本)は2026年8月28日、福岡で「低圧系統用蓄電池ソリューションセミナー」を開催した。投資家、アグリゲーター、EPC、設備メーカー、パートナー企業など多くの参加者が詰めかけ、新たなビジネス機会に対する関心の高さをうかがわせた。

「In Japan, For Japan」を掲げ、蓄電池ビジネスの可能性を拓く

 冒頭挨拶に立ったファーウェイ・ジャパンの袁志良氏(デジタルパワー事業本部 産業事業統括部 部長)は、再生可能エネルギーの導入拡大に伴い電力系統の柔軟性確保が世界共通の課題になっているとした上で、「蓄電池の役割はバックアップ電源から、系統調整や電力市場取引、総合エネルギーサービスへと広がっている」と指摘。太陽光発電と蓄電システムを中心とした新エネルギーの拡大は、業界全体にとって最も確度の高い成長機会だと位置付けた。


ファーウェイ・ジャパン デジタルパワー事業本部 産業事業統括部 部長袁志良氏

 袁氏はまた、ファーウェイ・ジャパンが常に日本市場のニーズに向き合いながら、20年以上にわたって事業を展開してきた実績を紹介。現在、日本国内の社員数は1200人を超え、その約85%を日本人が占めているという。「In Japan, For Japan」の理念のもと、「お客様とパートナー企業の成功を支援し続けていく」と述べ、挨拶を締めくくった。

 続いて、RE100電力のエネルギー管理部部長である百成宗治氏が講師として登壇。低圧系統用蓄電所に関する最新の政策動向や市場トレンド、ビジネスモデルについて解説した。


RE100電力 エネルギー管理部部長の百成宗治氏

ファーウェイが提案する新たな低圧系統用蓄電池ソリューション

 セミナーの中核となったのは、ファーウェイ・ジャパンの新井龍人氏(デジタルパワー事業本部 シニアプロダクトマネージャー)による同社のソリューション紹介だ。2026年4月に発売した中規模産業用蓄電システム「LUNA2000-241」と、同年7月に発売したVPP対応コントローラー「SmartMGC5000B」を軸に、最新の低圧系統用蓄電池ソリューションについて解説した。


ファーウェイ・ジャパンの新井龍人氏 デジタルパワー事業本部 シニアプロダクトマネージャー

 LUNA2000-241は容量241kWhの蓄電池と、出力108kWの双方向パワーコンディショナー(PCS)を単一キャビネットに集約したオールインワンESS(Energy Storage System = 定置用蓄電池)だ。幅1150mm×奥行き1800mm×高さ2100mm、質量2.8トン以下というコンパクトな筐体(きょうたい)に、電池パックとPCSを収めたのが特徴の一つだ。機器点数や現地配線を削減することで省施工化も実現している。背面および側面は最小限のクリアランスで設置できるため、狭小地への設置にも向くという。


中規模産業用蓄電システム「LUNA2000-241」

 出力面では、定格出力108kWに対して0.1kW単位での出力制限機能を備えており、49.9kWに出力を抑えることで低圧リソースとしての運用が可能だ。低圧連系で求められるグリッドコード「STEP3.2」に対応する他、ブラックスタート機能によりBCPにも寄与する。安全面では、セル間の熱拡散防止やパック内の酸素遮断機能、爆圧を筐体外へ逃がす指向性排煙機構など多層的な安全設計を採用している。UL 9540Aをはじめとする複数の国際認証を取得済みであり、TUV Rheinlandが定めるESS安全認証の最高位「Prime」の認定を受けた製品でもある。

日本の需給調整市場に対応する「SmartMGC5000B」

 蓄電池とともに今回新たに日本市場に投入された製品が、VPP対応コントローラーの「SmartMGC5000B」だ。従来機「SmartLogger3000」の上位版とも言うべき存在で、電流や電圧の直接計測によって、±0.01Hzという高精度な周波数検出とフィードバック制御を実現している。


VPP対応コントローラーの「SmartMGC5000B」

 ファーウェイ独自開発のクアッドコアCPUを搭載し、演算性能は従来機比で3.5倍、メインメモリ(RAM)容量は4倍以上に向上している。こうしたハードウェア性能とファーウェイ独自の電力系統向けOSの組み合わせにより、ミリ秒レベルのリアルタイム制御が可能だという。日本の需給調整市場の一次調整力要件にも万全に対応できる製品だ。

 システム構成や運用のしやすさも特徴となっている。上位通信のプロトコルではModbus TCP、IEC60870-5-104、GOOSEに対応しており、外部とのAPI(RESTful Open API)連携も可能だ。そのため、アグリゲーター側のシステムなどとの外部連携による柔軟なシステム運用にも対応する。ファーウェイがこれまでも提供してきた管理システム「FusionSolar」も利用でき、複数拠点の蓄電池を一元的に統合管理することも可能だ。

 新井氏は併せて、これらの製品を活用したVPP(バーチャルパワープラント)の事業スキームについて解説した。システム構成については、次の4パターンの例を紹介している。

  • 高圧案件で実績のあるSmartLogger3000Aを他社EMSから制御し、早期の系統連系を狙う構成
  • 新製品SmartMGC5000Bを他社EMSから制御する構成
  • SmartMGC5000Bを周波数制御機器として使用し、指令値変換用のAGG-GWを介してアグリゲーターと連携する構成
  • SmartMGC5000Bを周波数制御機器として使用し、 API経由でアグリゲーターと直接接続するシンプルな構成

 このように状況に応じてさまざまなシステム構成が選べるのは大きなメリットだ。新井氏は「連系時期や事業予算、アグリゲーターの仕様などに応じて、最適なシステム構成を選んでいただければ」と選択の自由度を強調した。

長期運用を支える最長15年保証と365日対応の日本語サポート

 保証面では、標準保証2年に加え、有償で最長15年まで延長できる(海岸から2km以内かつ腐食環境区分C4.5/C5に該当する場合は最長10年)。サポート体制としては、案件決定後の施工トレーニングや試運転の立ち会いに加え、搬入時、現地での設置時、1年点検時の少なくとも3回、ファーウェイの担当者が現地でサポートするという。

 稼働後は365日の電話対応が可能な日本語サポート窓口を設け、FusionSolarを活用した遠隔からの運転状況の診断や解析などの支援も実施する。万一の故障時には、国内導入数の約1%相当の在庫を常備する東京都の拠点から、障害の確認後、原則2営業日以内に交換部品を出荷する体制を整えている。

 新井氏は、メーカー選定にあたっては、初期導入コストだけでなく、蓄電システムの性能、安全性、保証条件、O&M、サービス体制などを総合的に評価し、事業期間全体の安定運用と収益性を検討することが重要である点を強調した。

事業主・EPC・メーカーが本音で語る「系統連系への道のり」

 セミナーの後半では、ファーウェイと事業主、EPCによるパネルディスカッションが行われた。ファーウェイ・ジャパンの大石凌平氏(デジタルパワー事業本部 スマートソーラー総合営業部 チームリーダー)がモデレーターを務め、事業主としてレオ・コーポレーションの太田武志氏(取締役 経営企画部長)、EPCとしてソーシン電設の高橋新吾氏(代表取締役)、佐藤創氏(技術部長)、善場亮介氏(設計部長)が登壇した。3社はこれまで、共同で高圧蓄電所の開発を14件手掛けており、4件がすでに一次調整力向けの運用を開始しているという。今後は、高圧案件での知見を生かし、低圧蓄電所の開発にも積極的に取り組んでいく方針だ。


(左から)ファーウェイ・ジャパン デジタルパワー事業本部 スマートソーラー総合営業部 チームリーダー 大石凌平氏/レオ・コーポレーション 取締役 経営企画部長 太田武志氏/ソーシン電設 代表取締役 高橋新吾氏

 ディスカッションでは、まず系統連系前のサイト構築段階での課題について、レオ・コーポレーションの太田氏が実体験を語った。一例として挙げられた「八女蓄電所」(福岡県八女市)のケースでは、2025年1月に九州電力へ接続検討を申し込み、3カ月後に「負担金100万円、工事期間3カ月」という回答を得たものの、実際に需給調整市場へ参入できたのは2026年7月14日だったという。接続検討の申し込みから、16カ月を要したことになる。他案件の中には、保証金を払った後に接続不可を告げられ、土地の売買契約をすでに結んでいたために違約金が発生したケースもあったという。

 また太田氏は、蓄電池メーカー、PCSメーカー、EMSメーカー、EPC、アグリゲーターといった多くの企業が連携する蓄電所ビジネスにおいては、一般に各社間の意思疎通の不足が落とし穴になりやすいと指摘。八女蓄電所の場合には、関係各社が毎月顔を合わせて忌憚なく意見を交わす場を設けたことが、プロジェクトを成功に導いた大きな要因だったと語った。

ファーウェイの蓄電池が導入しやすい理由とは?

 施工・設計面の課題については、ソーシン電設の高橋氏が現場目線でのエピソードを語った。蓄電所においては、弱電配線におけるノイズ対策が大きな課題となる。当時、蓄電所を手掛けるのが初めてだったソーシン電設だが、ノイズ対策に有用な通信関連のケーブル選定などにおいて、ファーウェイのサポートに大きく助けられたと振り返った。また、八女蓄電所に設置したファーウェイの蓄電池は、コンパクトなキャビネット型で施工性に優れており、相対的に軽量であるため地盤改良の必要もない点に大きなメリットを感じたという。

 事業主であるレオ・コーポレーションの太田氏も、キャビネット型には利点が多いと話す。コンパクトな筐体は橋や道路などの重量制約をあまり気にせず搬入できること、40台近くを設置する高圧案件でも土地の形状にかかわらずレイアウトを組みやすいこと、従来主流だったコンテナ型と比べて威圧感が小さく、近隣住民に受け入れられやすい点などをメリットとして挙げた。

 同社ではファーウェイの従来モデルのキャビネット型蓄電池も採用しているが、新型(LUNA2000-241)になって静粛性が一層高まった点を太田氏は評価する。LUNA2000-241は空冷と液冷を組み合わせたハイブリッド冷却方式を採用しており、その高い静粛性も特徴となっている。住宅街の近くに設置されることもある低圧案件にあっては、静粛性の高さがもたらすメリットは大きい。

 蓄電池市場の現状について、太田氏は「われわれが事業を検討し始めた数年前は、需給調整市場の一次調整力は蓄電池の独壇場になると考えられていた。しかし、実際に参入してみると、火力発電所が大きな比重を占めている」と指摘する。一方で将来に関しては、「再エネ比率を高める上で需給調整力は不可欠な社会インフラであり、今後ルール変更が行われても十分な経済性を期待できる。そのためにも、関係各社が柔軟かつ迅速に連携できる体制を構築することが重要」と語った。

 その考えに、ソーシン電設の高橋氏もファーウェイ・ジャパンの大石氏も深く共感を示す。蓄電所ビジネスは1社で完結できるものではなく、20年という事業期間を通して最大のパフォーマンスを発揮し続けていくためには、協業相手の選定と体制づくりが重要であることを確認した。

 アグリゲーター、EPC、設備メーカー、投資家まで幅広い顔ぶれが集まった今回のセミナーは、系統用蓄電池を軸にしたビジネス機会の広がりを印象付ける場となった。低圧リソースを束ねてVPPを構築する動きが本格化する中、ファーウェイは製品の技術的優位性とともに、計画段階から施工、運用段階までの手厚いサポートを前面に打ち出し、このトレンドを後押しする考えだ。

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提供:華為技術日本株式会社
アイティメディア営業企画/制作:スマートジャパン 編集部/掲載内容有効期限:2026年11月23日

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