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第32鉄 ハッピーバースデイ! だから四国へ行こう杉山淳一の +R Style(3/6 ページ)

「子どもじゃないし、もう誕生日なんかうれしくないや」――いやいや、大人だって誕生日にはイイコトいっぱい。今回は、1万円ポッキリでJR四国が3日間乗り放題になる「バースデイきっぷ」で、四国を一周する旅をご紹介する。

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2日目:徳島〜高知〜中村、室戸岬を巡る大移動

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徳島地鶏、阿波尾鶏を使った「阿波地鶏弁当」

 2日目はきっぷのモトを取るべく大移動。各駅停車で牟岐線を南下する。終点は牟岐駅だが、列車はそのまま阿佐海岸鉄道に乗り入れて、終点の甲浦(かんのうら)駅に着く。ちなみに阿佐海岸鉄道は「バースデイきっぷ」の範囲外なので、別途運賃が必要だ。朝食は昨日の夜に買っておいた駅弁「阿波尾鶏弁当」。ダジャレにしては良いセンス。

 甲浦駅は住宅街の外れ。付近に神社があるだけだ。なぜここに来たかというと、ここから室戸岬経由で奈半利駅行きのバスが出るから。奈半利駅は土佐くろしお鉄道の終着駅で、そこから高知方面に出られる。つまり、四国の外周を回ってみよう、というアイデアである。せっかくだから室戸岬で降りてみた。奇妙な形の岩や、低い枝の木が作るトンネルを歩く。これがなかなかおもしろい。大自然が造った庭園だ。観光案内所のそばに丸太を組んだ展望台もある。

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阿佐海岸鉄道は2駅8.5kmの第三セクター
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甲浦(かんのうら)駅
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室戸岬を歩く。展望デッキからの眺め
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こんな散歩道もある
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龍馬の盟友、中岡慎太郎像があった

 奈半利駅から後免駅までは土佐くろしお鉄道阿佐線に乗る。通称は「ごめん・なはり線」。なんだか謝っているような名前である。土佐くろしお鉄道は「バースデイきっぷ」で乗車OK。車両は幸運なことに、海側がオープンデッキの9640形。全国でもここだけの珍しいスタイルだ。オープンデッキで風を浴びると気持ちいい……と思っていたら、寒くなってきた。早春の気候は三寒四温。今日は寒い日に当たってしまった。客室に暖房も入っている。行商らしきおじさんが乗ってきて、発泡スチロールの箱から磯の香りが漂ってくる。「ああ、旅っていいな」と思いたい。でも、魚が食べられない私には苦手な匂い。寒いデッキに戻った。

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土佐くろしお鉄道阿佐線のくじら列車
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展望デッキ車両は船のようだ

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