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第45鉄 時速300kmで夢心地! 新幹線E5系「はやぶさ」試乗会に行ってきた杉山淳一の+R Style(5/7 ページ)

2月、素敵な招待券が届いた。それは、時速300kmの東北新幹線、E5系「はやぶさ」の記念試乗会。3月5日のデビューを前にさっそく乗り心地を試してきたのだが、そこで知った「試乗会のおきて」とは……?

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時速300kmの寝心地は最高?!

 さすがに時速300kmになると揺れるし、キーンという音も微かに聞こえる。フルアクティブサスペンション、車端ダンパー、連結部分に全周幌などと聞くと、揺れをピタッと抑えてくれそうな気がしたれけど、そうでもなかった。ただし、その揺れと音はE2系1000番代「はやて」より小さいと思う。

 E2系1000番代の時速260kmよりも、E5系の時速300kmのほうが揺れが小さい。これってすごいことだ。E5系は2013年春以降に時速320km運転をするという。そのときもE2系1000番代の260kmより少ない音と振動だとしたら、E5系の技術はやっぱり大したもの。そもそもE2系1000番代に初めて乗ったときだって、200系より遙かに快適だと思ったくらいである。

 E5系の小さな左右の揺れは心地よく、敢えて例えるなら高級マッサージチェアのよう。その揺れで身体にどんな変化があるかというと、まずお腹がすく。この揺れは胃袋のぜん動を促してくれるようだ。しかし車内の飲食はご遠慮申し上げます、と言われている。カバンの中には駅弁が4つも入っているというのに、切ないことこの上なし。

 空腹に耐えれば、次は睡魔がやってくる。ゆったりしたシート、揺りかごとは違うけど心地よい揺れ、そしてリクライニング状態に合わせて上下に動くヘッドレストのおかげで、とっても寝心地が良さそうだ。でも寝てしまったら、せっかくの試乗体験が居眠りで終わってしまう。ここは耐えるところだと思いつつ、ふとA席の男性を見たら、なんと、ぐっすりと眠っておられた。なんともったいない! そっちは窓際なのに!

 でも、とっても気持ち良さそうだった。大宮駅直前でちょっとお話したところ、彼はなんと名古屋在住で、試乗会のために夜行バスで仙台入りしたという。なるほど、それは眠いはずだ。寝心地を聞いてみたところ「途中で目覚めることなく、気持ちよく眠れた」そうだ。時速300kmで移動しているのにぐっすり眠れるって、やっぱりすごいな。たぶん私も我慢しなければ眠ってしまっただろう。E5系「はやぶさ」のCMコピーは「MADE IN DREAM(夢から生まれた)」だけど、多くの乗客にとっては「GO TO MY DREAM(夢路をたどる)」になるだろう。


普通車にも可動式ヘッドレストを装備。素晴らしい寝心地を提供する

スピード感と乗り心地は反比例

 早くて快適なE5系「はやぶさ」だが、スピード感はE2系「はやて」とあまり変わらない。これは仕方ない。沿線の風景がのどかで、スピードを感じさせてくれる対象が少ないからだ。仙台 - 大宮間の車窓でいうと、ランドマークは遠景の山になる。安達太良山、那須の旭岳、筑波山といったところか。遠くにある山はゆっくり動く。かといって市街地に差し掛かれば、通過駅でも列車は速度を落とすから「時速300kmで飛んでいく町並み」という車窓にはならない。


車窓から見える名山その1。安達太良山

車窓から見える名山その2。那須岳

車窓から見える名山その3。筑波山

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