コラム
第55鉄 乗り物いっぱい富士山めぐり(後編)奇想天外なバスに乗る:杉山淳一の +R Style(3/5 ページ)
富士山周辺へ観光に行くなら、ぜひ乗ってみたいのが「山中湖にいるカバ」。そしてもう一つ見逃せないのが水戸岡鋭治氏デザインの駅だ。今回は「富士山駅」「下吉田駅」を訪れた。
山中湖の「水のKABA」は水陸両用バスだった!
「水のKABA」は、山中湖のバスターミナル「旭日丘(あさひがおか)」から出発する。富士山駅から旭日丘までは路線バスで約30分。単なる移動かと思いきや、この道中もなかなか楽しい。観光名所の忍野八海はバス停のみで見えないけれど、高原の森を通りぬけ、花の都公園では道路脇にまで花畑が広がっていた。きっと晴れていれば富士山も見えるんだろうな。
楽しみにしていた「水のKABA」はバスターミナルの建物の横に停まっていた。確かにユニークな形をしている。上半分はバスだけど、下半分は丸っこくて、バスというよりは船の姿。そう、このバスは水陸両用なのだ。バスの後ろを見ると、ちゃんとスクリューが着いていた。運転席の手元には舵輪(だりん、船のハンドル)もある。ここでやっと「KABA」という名前の由来が分かった。カバはふだん水中で過ごし、夜になると陸上で草を食べて生活する。このバスも陸と水を行き来する。だからKABAだ。
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