モンブラン、2枚の積算用ディスクを持つ「ニコラ リューセック クロノグラフオープン ホームタイム」:SIHH2012
クロノグラフの発明者、ニコラ・リューセックの名前を冠するモンブランのクロノグラフに新作が登場。針ではなく回転盤で時刻を示す。
2012年1月16日から20日にかけてスイス・ジュネーブで開催されたSIHH(ジュネーブサロン)で、MONTBLANC(モンブラン)は「ニコラ リューセック クロノグラフオープン ホームタイム」を発表しました。クロノグラフの発明者、ニコラ・リューセックに対して、また1つ新しい価値ある記念碑を打ち立てる新キャリバーを搭載しています。
パリで宮廷に仕える時計師に任命されたリューセックは、2枚の回転ディスクとインクの詰まった針を備えた自作の「タイムライター」を1821年に初めて公開し、1822年にはその発明により特許を取得しました。リューセックはその先駆者的発明で、時計芸術の最高峰に登りつめました。
そして2008年、モンブランは初の「ニコラ リューセック クロノグラフ」を発表しました。これは単に時計製造に名を残した人物への賛辞ではなく、リューセックを象徴するエレメントを強調し、固定した針の下に秒と分の2枚の積算用回転ディスクを装備したものです。
クロノグラフが近年ファインウオッチの世界で獲得してきた重要な地位を考えると、その発明者を讃えるモデルの誕生は当然の成りゆきといえるでしょう。モンブランはその後、ニコラ リューセック コレクションを拡大し、2012年のSIHHでニューモデルを発表したのです。
ニコラ リューセック クロノグラフ オープン ホームタイムと名付けられた魅力的な新メンバーを迎えた同シリーズは、見た目が通常のクロノグラフとまったく異なります。クラウンの両サイドに2個のボタンを配置するのではなく、「8時」位置にプッシュボタンを1つ配置。
これは、「モノプッシャー」クロノグラフ同様、1つのボタンで連続的にスタートとストップ、そしてゼロリターン機能を動作させるものです。ボタンはケースの左側に置かれているため、右手の親指で操作しやすく、時計がデスクの端などの固いものに当たったときに、クロノグラフ機能が誤作動するのを防止できます。
さらに、たいていのクロノグラフと違って、このモデルにはダイヤル中央に大きな秒積算計針がありません。その代わりに、リューセックが発明した1821年の初代クロノグラフに敬意を表して、積算用の回転ディスクを2つ配置し、そのうちの1つがダイヤルの下の部分「8時」位置で秒を積算し、もう1つが「4時」位置で30分までの積算を行う仕組みになっています。
計測時間が終わると、経過秒数あるいは経過分数は、各回転ディスクの止まった位置とそのすぐ上にある静止目盛りを比較することで読み取れます。新たなニコラ リューセック クロノグラフに装着されたツインディスクは、レッドゴールドのコーティングを施したブリッジで固定され、秒積算計および分積算計の針を装着できるよう、その中にルビーの軸受を嵌め込んでいます。
これらの特徴に加えて、大きく窓を開けたアンスラサイトカラーのダイヤルもまた独創性に富み、上半分のスタイリッシュなデザインを引き立てています。オフセンターには通常の時刻を示すサブダイヤル。
このサブダイヤルには時刻目盛りの内側に円形の開口部があり、そこから一部スケルトンになった12時間表示の回転ディスクが見え、そのディスクの数字でセカンドタイムゾーンの時刻を示します。ここでもまた、針ではなく回転盤で時刻を示すというリューセックの流儀が生きています。
赤い小さな三角形のインデックスには「HOME TIME」とあります。これは時計使用者のホームタイムゾーンを表すものです。一方、サブダイヤルの時針と分針は、時計使用者が今まさに滞在している場所のタイムゾーンで時を刻みます。この3つの回転盤の複雑な連携は、ダイヤルをムーブメントの必要不可欠な要素として取り込み、ユニークな技術力を示しながら、他にはない時計の美を実現するものです。
ホームタイムと同期して、デイ・ナイト表示が動いて、「9時」位置にある彗星の尾のような弧を描いた窓を通過していきます。「3時」位置の窓に現れるデイト表示が示すのはローカルタイムゾーンの日付です。
クロノグラフの2つの回転盤を両サイドに携えて、ダイヤルに開けられたもう1つの窓からは、低摩耗垂直カップリング、コイル式ヒゲゼンマイの付いたスクリューバランス、歯の形が特徴的なガンギ車が覗き、かなりの鑑識眼の人でも見惚れるほどのつくりです。
あるタイムゾーンから別のタイムゾーンへ移動すると、時針を調整しなければなりませんが、このモデルでは時針がローカルタイムゾーンの現在時刻を指すようになるまでリュウズを巻くだけで、すぐさま簡単に時刻を合わせることができます。この時刻調整のあいだ、針は時計のムーブメントから切り離されるため、この調整によって歩度が影響を受けることはありません。
非常に特徴的であると同時にエレガントなフェイスの下には、モンブランの新ムーブメント、キャリバーMB R210が搭載されています。これは、伝統的なクロノグラフのメカニズムに現代の技術の粋を独特の手法で組み合わせたものです。
今回は、第2の時針ではなく、回転盤を使ったセカンドタイムゾーンの時刻表示を新たな特徴として加えています。ダイヤルに開けられた円形の窓の向こうに見える回転盤は、スケルトン構造になっており、縁に沿って時刻目盛りの付いた歯の装飾と中心から出ているスリムな輻のほかは見えない工夫が施されています。
この新キャリバーも、モンブランの設計・製作によるもので、円熟の境地を迎えたマニュファクチュールとしての時計ブランドのステータスを強く印象付けるものです。クロノグラフ機能は、昔ながらの伝統的なコラムホイールによって制御されており、力はモダンなディスクカップリングを通じてクロノグラフホイールに伝達されます。
これによって、秒積算計の針がスタートと同時に急激に飛び出すのを防止でき、摩耗も大幅に抑えられるため、秒積算計の回転盤がスイープセコンドのようになめらかに動き続けられるようになります。
テンプは直径約10ミリで、縁に沿ってウェイトスクリューを装備し、慣性モーメントの高い安定した歩度と毎時2万8800回の振動数(4Hz)を保証します。パワーリザーブ72時間のツインバレルを搭載し、最適のトルク曲線とそれに対応する安定した振幅を実現します。これらはすべて、極めて正確な歩度に理想的な条件で、週末ずっと身につけず放置していても正確な時を刻み続けます。ムーブメントの背面にはパワーリザーブ表示があります。
モンブラン ニコラ リューセック クロノグラフ オープン ホームタイム
- Ident No.107067
- 価格:307万4400円
- 発売予定時期:2012年9月1日
- ケース径:43ミリ
- ケース厚:15ミリ
- ケース素材:18Kレッドゴールド
- ケースガラス:ドーム型サファイアクリスタル、無反射コーティング
- ケースバック:サファイアクリスタル
- リューズ:1 Oリング、18Kレッドゴールド、マザー・オブ・パールのホワイトスター
- 文字盤:アンセラサイトカラー「グランドルジェ・ギョーシェ」ダイヤル、ホワイトの数字
- 針:フィユ(リーフ)針、バトン針、ルミネセントの時分針
- ラグ/クラスプ側幅:22/20ミリ
- 防水性能:3気圧(30メートル)防水
- ブレスレット:アリゲーターストラップ(ブラック)
- クラスプバックル:18Kレッドゴールド、ダブルフォールディングクラスプ
ムーブメント「Montblanc MB R210」
- 振動数:毎時2万8800振動
- 石数:40石
- 仕様:モノプッシャークロノグラフ、自動巻き、コラムホイール、垂直クラッチ、オフセンター位置に時・分、日付表示、回転ディスク上にクロノグラフ30分・60秒計表示、ディスクによるセカンドタイムゾーン表示、ディ&ナイト表示、パワーリザーブ約72時間
お問い合わせ:
モンブラン GBU ジャパン
TEL:03-5214-4810
URL:http://www.montblanc.co.jp/
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