アリタリア-イタリア航空で、人気渡航先No.1のイタリアへ:秋本俊二の“飛行機と空と旅”の話(3/5 ページ)
エイビーロードが実施した「海外旅行調査2012」で、イタリアは3年連続で「今後行きたい渡航先」の第1位に選ばれた。そのイタリアへ、日本から唯一のダイレクト便を運航しているのがアリタリア-イタリア航空である。成田からのAZ785便で、私も初夏のローマへ飛んだ。
パイロットが絶大な信頼を寄せる777
途中、この便の機長であるレンツォ・ガスパリーニさんが上空で私のインタビューに応じてくれた。パイロットの交代の時間になり、キャビンに顔を見せたガスパリーニさんは、口数こそ少ないもののとてもフレンドリーなイタリアン。アリタリアひと筋に26年間勤務を続け、社内でもみんなから信頼されているベテラン機長だ。
「MD-8やDC-10を始め、エアバス機やボーイング767など、これまでいろんな機種のコクピットを経験してきた」と、ガスパリーニ機長は言う。「その中でもこのトリプルセブン(777)は、私にとって間違いなくナンバーワンの機材だね」
上空で高度を上げたり、左右に旋回しようとコクピットで操作した場合、パイロットの意思が機体に伝わるまでに多少のズレ(タイムラグ)が生じる。けれども、777にはそれがない。まるで自分の手足のようにリアルタイムに、過不足なく忠実なパフォーマンスを発揮してくれる──そうガスパリーニ機長は言うのだ。
機長は意外にも大の“日本びいき”
アリタリア-イタリア航空は現在、777を長距離国際線の中心機材として運航している。ガスパリーニ機長もこれまで、その777を操って欧州域内はもちろん北米や南米、アジアなど世界の空を飛んできた。
では、自分で操縦していて一番好きな路線は? 私のそのちょっと意地悪な質問に、彼は間髪を入れずに答えた。
「日本だよ。当然ね。だって食べ物はおいしいし、知り合う人がみんな親切でやさしい。彼らが暮らす国へまた飛んでいけるという日は、前の晩からワクワクする気持ちを抑えられないよ。ミスター・アキモト、日本のみなさんに私からよろしくって伝えておいてくれるかい?」
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.