5ドア化で家族向けに変身? 「Audi A1 Sportback」を試す:試乗インプレッション(3/3 ページ)
アウディジャパンが6月に投入した新モデル「Audi A1 Sportback」。プレミアムコンパクトカーと位置付ける3ドアハッチ「Audi A1」の味付けはどう変わったのか。
スポーツサスと16インチタイヤがもたらす安定したコーナリング
試乗車にはオプション装備である「スポーツパッケージ」が装着されていた。この装備の中には、スポーツサスペンションと16インチタイヤ(標準モデルは15インチ)が含まれている。
コンパクトな車体ということもあり、乗り心地は硬いのではないかと予想していたのだが、意外なことにこれが悪くない。それどころか、多少路面が荒れている程度ならば、ほとんどハーシュネスが伝わってくることもない。これには少し驚いた。
もっとも、かなり荒れた路面や大きめのギャップを乗り越える場面となると、さすがに衝撃が「ドン!」と伝わってくる。スポーツサスペンションのセッティングの特徴なのだろうか、振動がある一定量を超えると振動吸収の特性が急に変わるような感覚だ。この辺りのフィーリングは、標準仕様のサスペンションとタイヤであれば変わってくるのかもしれない。
逆に、コーナリングの安定度はさすがスポーツ仕様ならでは。試乗コースは一般道だったので、本格的なコーナリング走行を試すことはできなかったが、それでもちょっと速めのスピードでコーナーに進入してもドライバーを不安にさせるような挙動を一切見せずに、オン・ザ・レール感覚でクリアしていく。
また、Audi A1 Sportbackには、電子制御式LSD機能を組み込んだESP(エレクトロニクススタビライゼーションプログラム)という機構が搭載されている。コーナリング時の回頭性を高める働きがあるというが、これもまたコーナリングの軽快感と安定感に一役買っているのかもしれない。とにもかくにも、これはぜひ一度ワインディングで走らせてみたいと感じるほどに、スムーズなコーナリングを見せてくれる。
後部座席は大人乗車のロングドライブには……
なお、5ドア化に当たって多くの人が気になるのが、後部座席の居住性ではないだろうか。結論から言えば、ちょっとしたドライブであれば大人4名が乗車しても問題なさそうだ(定員は5名)。しかしロングドライブとなるとちょっと……といった感じだろうか。
実際に、身長177センチの筆者が後部座席に座ってみたところ、ヘッドクリアランスはちょうど頭が天井に付くか付かないかといった程度だ。また足元のスペースは狭くもなく、かといって広くもなくといった具合で、及第点の広さは確保できているように感じた。
あくまでも筆者の体格を基準にした感覚であって、これが小柄な人や子どもであれば、もちろん問題なく快適に過ごすことができるだろう。そういう意味では、確かにアウディがAudi A1 Sportbackのメインターゲットに想定しているニューファミリー層にとっては、ぴったりくる仕様なのかもしれない。
関連記事
- 「クルマ・バイク」インデックス
- アウディ A1、東京・表参道にカフェ付き特別ショールーム
アウディ ジャパンは10月末までAudi A1の特別展示ショールーム「A1 Shop Terrace Tokyo」をオープンする。DEAN & DELUCAとのコラボカフェも併設。 - “自分らしさ”を求める家族のために――5ドアの「Audi A1 Sportback」
アウディはプレミアムコンパクトハッチバック「A1」に5ドア、5人乗りの新モデルを投入。都市に住む、自分の生活にこだわりを持つニューファミリー層を狙う。 - もっともコンパクト、だけど上質なAudi A1
アウディジャパンは、コンパクトカー「Audi A1」を発売した。自分だけの1台を作り出す楽しさなどを実現するプレミアム路線で、価格は289万円。 - アウディA1に300万円の価値はあるのか?
アウディディーラーの前を通過すると、ショーウィンドウの一番手前にひときわ小さな車が鎮座していた。「お! A1じゃん」とそのままアウディディーラーに吸い込まれた。 - 世界に1台だけの「Audi A1 SAMURAI BLUE」
東京モーターショー2011に、サッカー日本代表チームのカラーリングをまとった世界に1台だけの「Audi A1 SAMURAI BLUE」が登場。売り上げの一部をチャリティに寄付するという。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.