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シチズン「アテッサ」、目指したのは“ソリッド”なビジネスウオッチ(2/3 ページ)

2012年、誕生25周年を迎えたアテッサから新たに登場した厚さ9.72ミリの電波クロノグラフ。同社が3年ぶりに投入する新ムーブメントを搭載した意欲作だ。

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初代アテッサから25年続く「チタン」との戦い

 ソリッドには「(物質が)硬い」という意味もある。1987年にケースやバンドなどの素材すべてに世界で初めてチタニウムを採用したアテッサ。新モデルには25年をかけて、成形や切削加工の難易度が高いチタンの「打てない、削れない、磨けない」という時計職人泣かせの三重苦を乗り越えてきた成果が惜しげもなく注ぎ込まれている。

 例えば、同社独自の表面加工技術「デュラテクト」。この加工を施すことで表面硬度が純チタンの5倍以上となり、普段使いでの擦り傷や小傷が付きにくくなる。

アテッサ
初代アテッサ(1987年登場、クリックで拡大)

 「チタンというと硬いイメージがありますが、純チタンは柔らかく傷付きやすいのです。この初代モデルは爪でひっかくと傷が残ります」と初代アテッサを取り出しながら久保田さんがいう。

 恐る恐る触れてみると、新モデルとはさわり心地がまったく異なる。ボテッというか、ザラッとしていて、いかにも金属の塊のようだ。一方、デュラテクトを施した最新モデル。コーティングにより表面が平滑になり、スルッとした感触だ。この摩擦の少なさが傷の付きにくさに関係しているという。

「ステンレススチールで出来ることは、ほとんどすべてチタンでも出来るようになりました。面のシャープさやエッジ感の表現、デュラテクト加工など、チタン加工技術については他社よりも一歩抜けていると自負しています」(久保田さん)

 電波クロノグラフとして同社最薄ケースを実現した新ムーブメント「H804」もそうだが、アテッサはデザイン上の制約を技術の革新によって乗り越えてきた。さらなる技術の進歩によって、デザイナーがもっと自由に次世代の時計デザインを描きだせるようになるだろう。

アテッサアテッサ (出典:シチズン時計、クリックで拡大)

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