JINS PCを世に問うた社長が目指す、メガネの常識を変えるイノベーションとは?(2/6 ページ)
ブルーライトをカットするという機能性メガネ「JINS PC」は発売から1年弱で90万本を売り上げた。「メガネが不要な人にメガネを売る」――JINSの田中仁社長にインタビュー。
JINS PCの潜在ユーザーは3000万人
――2010年10月に発表したJINSの長期ビジョンにおいて、JINS PCの潜在的な需要は2000万人超だと言及していました。まだ90万本ですが、これからどうなっていくと思いますか?
田中 現在、JINS PCを使っている人というのはITリテラシーの高い人。キャズム理論(参照リンク)でいうところの「イノベーター」とか「アーリーアダプター」です。この人たちが人口の15%程度いるといわれていますが、まだ信用していない人も多い。キャズムを超えて「マジョリティ」と呼ばれている層にまで普及できれば、2000万人から3000万人の潜在マーケットはあると思っています。
また、疲れ目で眼科に通っている人は年間累計1600万人もいるといいます。こんなに大多数の人が病院に行かなきゃならないくらい疲れているわけです。ほかにも大学での講演に呼ばれた際に、目が疲れていると思っている学生に手を挙げてもらったんです。すると95%以上が疲れ目を訴える。ですがJINS PCを知っている人は1割いるかいないか。
――JINS PCがキャズムを超えていくために必要なことって何でしょう?
田中 JINS PCという商品の存在をもっと知ってもらうこと、そしてその信頼性をもっと高めることですね。キャズムを超えた後には、販売本数は今とは比べものにならないくらい伸びていくでしょう。
これは、JINSがやらなかったら絶対に超えられないと思っています。それはJINSがブルーライトカットメガネのパイオニアだからということだけではなくて、さまざまなエビデンスを構築してきたからこそ信頼性が醸成できる。これはメガネ業界のために、もっとやっていきたいなと思っています。
もう1つ、プラシーボ効果といいますか、おそらくほとんどの人が「眉つば」「気のせいだろう」と思っていらっしゃるのではないでしょうか。この壁をどうやって超えていくのか。
実際に使った人の体験として「楽になった」という声が非常に大きい。体験が伴わないとメーカーが何をいっても伝わらないでしょう。医者がオススメするよりも大きな信頼になり得ます。
いま、90万人まで来ました。この人たちの周囲にいる人に波及していくことを考えると、JINS PCにはまだまだ可能性があると思っています。
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