A.ランゲ&ゾーネ、200本限定のグランド・ランゲ1 ルーメン
半透明のブラックダイヤルにより、これまで目に触れることがなかったランゲ1のメカニズムが透けて見えます。また、アウトサイズデイトに初めて蛍光表示を採用しました。
2012年に生まれ変わったA.ランゲ&ゾーネの「グランド・ランゲ1」。2013年のSIHH(ジュネーブサロン)で限定モデル「ルーメン」が発表されます。
ルーメンでは、半透明のブラックダイヤルにより、これまで目に触れることがなかったランゲ1のメカニズムが透けて見え、長年隠されていた謎に光をもたらします。このモデルではアウトサイズデイトに初めて蛍光表示を採用しました。
暗闇でも読み取り可能「グランド・ランゲ1 ルーメン」
1994年、A.ランゲ&ゾーネの復活と同時に発表された大型サイズの日付表示「ランゲ・アウトサイズデイト」は、世界で驚きをもって迎えられ、その後の機械式腕時計の歴史に影響を与えたともいわれます。
アウトサイズデイトは、ダイヤルのオフセンターレイアウトと同様に、今やランゲ1に不可欠なデザイン要素です。一方で、その内部にあるメカニズムは、過去のどのモデルにおいても、シルバー無垢のダイヤルの下に隠されており、その姿を見ることはできませんでした。
今、謎が明かされようとしています――ルーメンと名付けられたグランド・ランゲ1の特別モデル(プラチナケース製、全世界200本限定)の誕生です。
ラテン語で光を意味するルーメンというネーミングには訳があります。ダイヤルの一部が半透明のサファイアクリスタルとなっており、外縁部のリングおよび時・分・スモールセコンドの表示部分だけにブラック仕上げのシルバーを使用します。サファイアクリスタルの部分には、アウトサイズデイトの表示メカニズムが透けて見えます。今回初めて蛍光表示が採用されたアウトサイズデイトのほか、時刻とパワーリザーブも暗闇に浮かび上がって読み取れるようになっています。
グランド・ランゲ1 ルーメンの開発で技術的に難しかったのは、日付が切り替わった直後にも日付表示を確実に発光させるという問題でした。A.ランゲ&ゾーネの開発者たちが考案した方法は、10の位表示用十字プレートには直接白色の蛍光物質を塗り、その上に黒い数字を印字する一方で、1の位表示用ディスクは透明のガラスに黒い数字を印字し、白い蛍光物質を塗った背景の前を回転させるという特殊な方法です。
ダイヤルのサファイアクリスタルの部分には特殊なコーティングを施し、可視光の大部分を遮断します。しかし、紫外線に対する遮蔽機能はないため、紫外線はそのままアウトサイズデイトの蛍光面に到達します。
さらに、本来なら時計の組立を行う時計師しか見ることのできないはずの地板のペルラージュ仕上げが透けて見えるという思いがけない効果も生みました。小さな円模様が重なり合うペルラージュ仕上げは、職人が回転する研磨棒を用いて円の一つ一つを施していく技法ですが、通常はダイヤルの下に隠れて目には触れないものです。
熟練時計師による二度組の工程により完成度を追求した自社製キャリバーL095.2の美しい姿は、サファイアクリスタルのシースルーバックでも楽しむことができます。すなわち、グランド・ランゲ1 ルーメンは、どこから見ても輝かしいモデルなのです。
新設計の手巻きムーブメントでグランド・ランゲ1が生まれ変わったのは、2012年のことです。シングルバレルの香箱を採用し、部品の配置を合理化したことで、72時間のパワーリザーブを維持しながら薄型化に成功し、調和の美しいランゲ1のダイヤルレイアウトを、ひとまわり大きなモデルに移しかえることが可能になりました。時、分、秒、アウトサイズデイト、パワーリザーブの各表示は、グランド・ランゲ1 ルーメンでも、それぞれ独立して重なり合うことがありません。
アウトサイズデイトの仕組み
ランゲ・アウトサイズデイトの原型となったのは、アドルフ・ランゲが1841年に製作に携わったドレスデンのゼンパー歌劇場にある五分時計。限られたスペースの中で最大限のサイズで日付を表示するため、この日付表示機構は原型となった五分時計と同じ、2つの独立した表示窓を使用しています。
環状の1の位表示用ディスクには0〜9の数字が刻まれ、一日に一回、進みます。ただし、31日から1日に変わるときには、ディスクは回転しません。
10の位表示用十字プレートは1〜3の数字と空白になっており、10日に一度だけ進むようになっています。3が表示されているときだけは例外で、2日後に次の空白のプレートに切り替わります。このように不規則な切替を制御するのは2枚のプログラム車と呼ばれる歯車で、それぞれ精密に計算された位置に歯が刻まれています。
グランド・ランゲ1 ルーメン
- Ref. 117.035
- ケース径:40.9ミリ
- ケース厚:9.8ミリ
- ケース素材:プラチナ
- ストラップ:手縫いのブラッククロコダイルベルト、プラチナのランゲ特製ピンバックル
- ムーブメント:手巻き、ランゲ自社製キャリバー「L095.2」。ランゲ最高品質基準準拠、手作業による組立および装飾、5姿勢調整済み,素材の表面を生かした洋銀製のプレートおよび受け、ハンドエングレービングを施したテンプ受け、42石、アンクル脱進機、耐震機構つきチラネジテンプ、自社製の最高品質ヒゲゼンマイ、振動数2万1600振動/時,スワンネック形バネと側面にある調整用ビスにより微調整可能なビートエラー修正機構、72時間パワーリザーブ
- 仕様:時、分、ストップセコンド機能搭載スモールセコンドによる時刻表示、パワーリザーブ表示、アウトサイズデイト、サファイアクリスタル風防(硬度9)、ベースダイヤル(外縁部のリング、時・分・スモールセコンド)はシルバー無垢(ブラック仕上げ)、窓部分は半透明のアウトサイズデイト、アウトサイズデイトおよび時・パワーリザーブ表示のインデックスは蛍光
- 限定数:200本
お問い合わせ:
A.ランゲ&ゾーネ 東京ブティック
TEL:03-3573-7788
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