JR北海道、留萌線・留萌〜増毛間の廃止を発表 来年度中に

» 2015年08月10日 19時10分 公開
[ITmedia]

 JR北海道は8月10日、留萌線のうち留萌〜増毛間を2016年度中に廃止する方針を発表し、同日、地元自治体に伝えた。年間1億6000万円以上の赤字となっている上、土砂崩れ対策で数十億円の工事費が必要になるとして、「鉄道を維持していくことは困難」と判断した。

 廃止対象区間は留萌(留萌市)から増毛(留萌管内増毛町)まで日本海岸沿いの16.7キロ・9駅(うち無人8駅)。現在は1日当たり登り7本・下り6本を運行している。

photo 留萌〜増毛が廃止対象=ニュースリリースより

 留萌〜増毛間は1921年(大正10年)に開業。沿線の過疎化や自動車の普及、高校の閉校などから、14年度の1日当たり輸送密度は39人と、1列車当たり3人にまで落ち込んでいる。14年度は営業収入700万円に対し、経費は推計で25倍近くに達し、差し引きで1億6000万円超の赤字に陥っているという。

 沿線では、融雪期に雪や土砂が線路に流れ込み脱線する事故が2度起きている上、大雨などで土砂崩れが発生。だが安全確保に必要な防災工事費は数十億円に上るとみられ、維持は難しいと判断した。

 沿線では路線バスが1日22本運行しており、路線バスが生活の足になっているという。JR北海道は「廃止後の沿線の地域振興はできうる限り協力する」としている。

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