テレビ朝日とKDDI、スマホ向け動画配信で戦略的提携 「ビデオパス」向けに独自コンテンツや番組独占配信

» 2015年08月20日 15時00分 公開
[ITmedia]
photo 提携を発表するKDDIの高橋専務(左)とテレビ朝日の角南常務

 テレビ朝日とKDDIは8月20日、スマートフォン向け動画配信事業で戦略的業務提携を結ぶと発表した。KDDIの定額制動画配信サービス「ビデオパス」の検索履歴などを活用したコンテンツを共同制作するほか、放送中番組の独占配信などを行い、ネット動画事業の拡大を狙う。

 共同制作の第1弾として10月から、秋元康氏が企画するAKB48グループ出演ドラマをビデオパスで配信する。地上波番組と連動しており、同等のクオリティによるオリジナルエピソードになるといい、地上波とネットが融合した新しい視聴体験を楽しめるという。

 制作はテレビ朝日が提案し、ビデオパスユーザーの検索や視聴、属性の履歴など統計データを活用して分析したところ、ビデオパスユーザーに楽しんでもらえると判断したという。KDDIは「楽しい」「爽快」といった作品のメタデータ約2000種類や、ビデオパスなどのユーザー統計データを保有しており、今後は企画段階から共同制作に活用していく。

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photo データ活用のイメージ

 また放送中のドラマ「民王」をビデオパスで独占配信。バラエティなど地上波番組や、番組本編と連動したオリジナル動画などを独占配信するなど、放送との連動も進める。

 テレビ朝日を含む民放キー局は10月から番組をネットで無料配信するサービス「TVer」を開始するほか、日本テレビが「Hulu」日本版を運営し、フジテレビが今秋スタートするNetflix日本版へオリジナルコンテンツを提供するなど、テレビ局がネットを活用する動きが加速している。

 テレビ朝日は「トップクラスのコンテンツ総合企業」を目指しており、「ネット上での存在感を示すことが課題」(角南源五常務)。KDDIとプラットフォーム拡大に共に取り組み、「プラットフォーマーとして一定のポジションの構築」を目指していく。

 サイバーエージェントとも定額制動画配信プラットフォームを運営する「AbemaTV」の設立を発表しているが、「AbemaTVはストリーミングを基軸としたゼロから構築するプラットフォームであり、KDDIとの取り組みとは食い合わない」(角南常務)としている。

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