シャープの「全社員に自社製品購入呼び掛け」は意味があるのか

» 2015年11月18日 15時04分 公開
[久我山徹ITmedia]

 シャープが11月20日から、全従業員を対象に自社製品の購入を呼び掛けるという。本社ビルを手放し、液晶事業も切り離しの検討に入るなど苦境にある同社だが、この取り組みに意味はあるのか。

photo シャープがこの日発表したふとん掃除機。家電製品には定評があるが……

 読売新聞によると、役員は20万円、管理職は10万円、一般社員は5万円という目標を設定し、社員向け専用サイトから申し込む形。給与がカットされる中、社員は事実上のノルマとして受け止められているという。

 仮にシャープ単体の国内従業員1万7436人(9月末)が5万円ずつ購入すれば、約8億7000万円の売り上げになる(ただし購入額の2%分は「奨励金」として社員に支払われるという)。執行役員や管理職の分を入れるとさらに金額は見込める計算になる。

 ただ、シャープが予想する2016年3月期の連結売上高は2兆7000億円、営業利益は100億円。社員向け販売ということもあり、比較的利益に直結しやすい形になっていそうだが、どの程度の業績インパクトが見込めるのかははっきりしない。

 投資家の反応もそっけない。報道を受けた18日の株式市場では、日経平均株価が上昇する中、シャープ株価は年初来安値を付けた。ネットでは「目のつけどころがおかしい」と指摘する声も上がっていた。

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