アラフォーの鬼編集者に囲まれつつも、毎日必死で記事を書いている新人のスズキとアオヤギ。元高校球児で“史上最強の応援団長”の呼び名を持つスズキと、家にいるのが何よりも好きな女オタクのアオヤギ。平成生まれの2人が「最近気になること」に突撃していきます。連載バックナンバーはこちら。
青柳 『シン・ゴジラ』見ましたか? ものすごく話題ですよね。私も見に行ったんですが、あまりにも面白くてビックリしました。尾頭ヒロミさんが最高でした……。
鈴木 見た見た! ゴジラ、めちゃくちゃ強かったよね……。まさか東京があんな大変な目に合うなんて。描写はなかったけど、うちの会社(東京都千代田区)もゴジラにやられているような?
青柳 いや〜ラッキーでしたね! 会社に行かなくてもいい! ありがとうゴジラ! ありがとう庵野秀明総監督!
鈴木 いやいや、喜んじゃダメでしょ! それにしてもゴジラの登場で、うちの会社どころか東京が壊滅的なダメージを受けていたよね。あれって、真剣に考えたらどれくらいの被害額になるんだろう?
青柳 き、気になる……! 聞きに行ってきます!
7月29日に公開された映画『シン・ゴジラ』。ゴジラシリーズの29作目にして、日本製作としては12年ぶりの新作。興行収入は8月現在で46億円を突破し、大ヒットとなっている。
舞台は日本。東京湾に突如出現した巨大不明生物。謎の生物は街を破壊しながら東京の中心に突き進んでいく。未曽有の危機に、官僚たちは、政治家は、どのように立ち向かうのか……?
巨大不明生物によって甚大なダメージを受ける日本。果たしてその被害額はどれくらいになるのか。「シン・ゴジラ」にハマり4回鑑賞したという、外資系戦略コンサルティングファームでマネジャーを務めるコンさんに話を聞いた。ちなみに完全ネタバレのため、見ていない人は要注意!
以下、『シン・ゴジラ』についての重大なネタバレが含まれるため、未鑑賞の方はご注意ください。
コンさん(以下、コン): まず試算の前提を整理していきますね。舞台設定・年代設定は諸説ありますが、東京駅の常盤橋ビルが完成しているので、2027年以降と考えます。また「円谷英二が存在しないため、怪獣という概念が一般化していない」という設定になっていますが、それ以外は現実の日本に準拠していると思われます。
青柳: ということは、劇中の日本でも東日本大震災や福島第1原発事故は起こっているということでしょうか。そういえば作中のSNSでも、やけに放射線量への意識が高まっていましたね。
コン: 作中には直接的な言及がないため、断言はできませんが、今回はそのような前提で試算します。
青柳: よろしくお願いします! まずは第1次上陸の被害からお願いします。巨大不明生物(のちにゴジラと呼ばれる)は東京湾に突如出現し、東京湾アクアラインと首都高多摩川トンネルを破壊。姿を変えながら呑川を遡上していきます。さぞ大被害かと思うのですが……。
コン: 第1次上陸の被害は、(A)東京湾アクアライン・多摩川トンネルの損壊による被害、(B)東京湾封鎖(船舶・航空機)による経済被害、(C)大田区蒲田・品川区上陸による建物・インフラの損壊と復旧に分類されます。ここの算定は少しややこしくなるので、次に起こった甚大な被害、第2次上陸と一緒に考えることにします。
青柳: 第2次……。巨大不明生物は身体を冷やすため、一度海に戻っていくんでした。訪れるつかの間の平和な日常風景。しかし巨大不明生物は再び、神奈川県由比ガ浜から上陸し、「なんでまたこっちに来るんだよ!?」と叫んでしまうほどの方向感覚で東京都に向かってきます。
コン: 東京都と神奈川県の県境である多摩川を絶対防衛線に定め、展開されたのは自衛隊による「タバ作戦」ですが、巨大不明生物には通用せず、部隊は戦闘継続不能に。作戦では見たところ10式戦車が7台ほど損壊していたので、10億円×7の70億円の被害が出ました。
青柳: 70億円……。
コン: 絶対防衛線を超えて霞が関に向かってくる巨大不明生物。米軍による「B-2空爆作戦」が展開されます。米軍の攻撃はダメージを与えることができましたが、巨大不明生物による攻撃と背中からの熱線で3機とも撃墜。世界一高い軍用機といわれるB-2ステルス爆撃機は1機2000億円なので、6000億円の被害ですね。まあこちらは米国の被害ですが……。
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