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» 2016年11月14日 06時30分 UPDATE

新人記者(ハラペコ女子)が行く:なぜ2万5000円の高級トースター「バルミューダ」は売れるのか? (1/2)

2万5000円と高級なのに、飛ぶように売れているトースター「BALMUDA The Toaster」。なぜ売れているのか? キーワードになっている“物より体験”とはどういう意味なのか? 購入者(※筆者の母)に聞いてみた。

[青柳美帆子,ITmedia]

新人記者が行く:

 アラフォーの鬼編集者に囲まれつつも、毎日必死で記事を書いている新人のスズキとアオヤギ。元高校球児で“史上最強の応援団長”の呼び名を持つスズキと、家にいるのが何よりも好きな女オタクのアオヤギ。平成生まれの2人が「最近気になること」に突撃していきます。連載バックナンバーはこちら


青柳 聞いてくださいよ……家に帰ったら、母が新しいトースターを買っていたんです。「いくらなの?」と軽い気持ちで聞いたら、なんと2万円以上!


鈴木 えっ、2万円ってかなり高くない? 僕の家にあるのは3000円のトースターだよ。機能がすごく充実してる製品なの?


青柳 それが機能はそこまで多いわけではなくて。スチームを活用してトーストがおいしく焼ける、ということ“のみ”を売りにしているんですよね。実際食べてみておいしかったので、ちょっと文句が言えなくなってはいるんですけど……。


鈴木 そうなんだ。バルミューダのこと、もうちょっと詳しく調べてみるのはどうかな?


2万5000円と高級ながら、10万台以上を売り上げるヒット商品「BALMUDA The Toaster」

高級なのに売れているバルミューダ

 2015年の発売以降、大ヒットしているバルミューダのトースター「BALMUDA The Toaster(バルミューダ・ザ・トースター)」。定価は2万5000円とかなり高級ながら、既に10万台以上を売り上げている。

 高級トースターといえば簡易的なオーブンとして使えるような多機能をウリにしていることが多いが、「BALMUDA The Toaster」は“特化型”だ。「トースト」「チーズトースト」「フランスパン」「クロワッサン」「クラシック」の5つのモードがあり、スチーム技術を生かしてそれぞれに最適な状態で焼き上げるという。

 バルミューダは03年に創業。“元ミュージシャン”という異色の経験を持つ寺尾玄社長が、モノづくりのノウハウが全くないところからたった1人で始めた企業だ。扇風機「GreenFan Japan」、電気ケトル「BALMUDA The Pot」などが次々とヒット。15年のメーカー知名度は16%だったが、今年は26%にアップ。着々と白物家電業界で存在感を増している。

 もちろん、ヒットまでには苦しい時期もあった。リーマンショック時、PCの周辺機器を製造していたバルミューダの売り上げは4500万円。注文が完全に入ってこなくなり、「あと半年で潰れる」と覚悟するような状況だった。

 その苦境を救ったのが、10年に発売した扇風機GreenFan Japan。“自然界の風を再現する”をキャッチコピーに、人工的に感じない風を出せる省エネ高級扇風機を売り出してヒット。売り上げは2億5000万円に改善され、倒産を免れたという。売り上げは順調に伸びていき、13年は23億円、14年は27億円、15年は29億円に上った。トースターのヒットを受けて、16年は55億円を見込む。同社の中でも主力となる商品だ。

 なぜバルミューダのトースターは高価なのに売れるのか? キーワードは“物より体験”。実際の購入者に話を聞いてみた。

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