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» 2016年11月24日 16時17分 UPDATE

大塚社長巻き返しの一手となるか:大塚家具、リユース事業に成果あり

大塚家具が11月24日、9月に開始したリユース・アウトレット業態を拡大すると発表。買い替え需要の掘り起こしと、新規層にアピールする。年末に向けての巻き返しの一手になるか。

[青柳美帆子,ITmedia]

 大塚家具は11月24日、9月に開始したリユース・アウトレット業態を拡大すると発表した。家具を引き取ることで買い替え需要を掘り起こし、また比較的価格を抑えて高品質の家具を提供し、新規層にアピールする。年末に向けて取り扱い店舗数を増やし、リユース家具をきっかけに来店者を増やす狙いだ。

リユース事業拡大を発表した、大塚家具の大塚久美子社長

想定以上のリユース需要

 同社は9月8日にリユース事業への進出を発表。全国で買い取り・下取りキャンペーンを実施した。査定依頼は電話、店頭、Webで受け付け、同社商品に限らず買い取り対象とした。大塚久美子社長が「一時期はコールセンターがパンク状態になり、受付の電話を当初の倍以上増やした。あまりの反響に驚いた」と語るように、想定を上回る反響があったという。

 キャンペーン期間中に約1万6500件の査定依頼があり、そのうち1万1000点以上を引き取った。家具の引き取りを希望した客のうち、4割が大塚家具での家具の買い替えを希望し、「買い替え促進」効果も出ているという。

 「生活スタイルの変化に伴い、家具を替えたいと思っているけれど、今使っている家具を捨てることにためらいがあって買い替えられない人たちに、リユースが選択肢になれば」(大塚社長)

全体を活性化させるリユース

 引き取った家具は、大塚家具の100%子会社リンテリアの職人によって、新品の家具と同じ品質基準を目指して修理、加工、クリーニングが行われる。もともと同社は自社製品の購入者を対象に家具のメンテナンスを実施しており、そのノウハウが生かされている。

 修理が終わったものは、大塚家具のリユース製品取り扱い店舗で販売され、価格は新品価格の3〜6割程度と低く抑える。また、引き取ってきた家具の一部はブックオフやヤマトホームコンビニエンスなどの提携企業でも販売される。

 「大塚家具の考えるリユースとは、アンティークやビンテージのように、価値を取り戻し、価値を加えていくもの。修理と物流のコストを中心に価格を設定しているので、『長く使える良いもの』が、予算が限定されているお客様にとっても選択肢になる」(大塚社長)

 アウトレット・リユース品を取り扱う店舗として、10月15日に大阪南港と横浜市に「IDC OTSUKA アウトレット&リユース」を新規オープン。もともと大阪南港にはショールームもあり、2店舗合計での10月の成約件数は前年同月比で13.4%増、売り上げも成約件数に伴って増えているという。また、リユース品購入者の57%がリユース品以外も一緒に購入しているという実績にもつながっている。

 「リユース・アウトレットが、全体を活性化させている。お客様は、新品、リユース、アウトレット、アンティーク、ヴィンテージを同じ土俵で比べて、それぞれのメリットデメリットを把握した上で家具を選んでいる」(大塚社長)

大塚家具のリユース家具。新品家具やヴィンテージ家具も一緒に並べられている

 リユース・アウトレット事業を担うのはリンテリア。もともとは佐野春生社長を含めて6人の会社だったが、事業拡大に伴い41人に増員。また、東京だけではなく新たに大阪にも人員を配した。提携先も強化しているという。

 「9月、10月の2カ月間で、メンテナンスを終えて供給したリユース品は453点。そのうち、429点に注文があり、短期間で売り切れている状態。今後はもっとメンテナンスのペースを上げて、12月初めまでには2000点を用意したい。いずれは月に平均3000点の供給を目指している」(リンテリア佐野社長)

 リユース品を扱う店舗を、12月2日に現在の全国8店舗から16店舗に拡大し、キャンペーンを実施。同時に店頭商品の年末クリアランスも行う。リユース品をきっかけに来店した消費者に、家具の豊富な選択肢を提示し、年末戦線の強化を狙う。

 大塚家具の2016年12月期は、通期で売上高483億円、営業利益は38億円の赤字に転落する見通しになっている。大きな原因は、郊外立地の大型店舗の来店客数の減少や、売り上げの低迷だ。新業態は同社を引き上げる一歩になるか、注目が集まっている。

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