“マイカー”持つ新成人、4年ぶり増加「若者のクルマ離れ」が収束する?

» 2017年01月05日 18時36分 公開
[ITmedia]

 “若者のクルマ離れ”が叫ばれて久しいが、今年の新成人(1996年4月2日〜97年4月1日生まれ)の自動車の所有状況はどうなっているのだろうか――。ソニー損保が意識調査の結果を発表した。

 新成人に自動車の有無について聞いたところ、最も多かった回答は「現時点で購入の予定はないが、いずれは欲しい」で、49.7%。次いで多かったのが「購入するつもりはない」で、26.7%。以下、「既に自分の車を持っている」(16.8%)、「購入する予定がある」(6.8%)という結果だった。居住地別では、都市部の所有率が10.4%だったのに対し、地方では19.0%と、地方の若者のほうが自動車の所有率が高い傾向がみられた。

photo 新成人の自動車の保有状況

 この結果を過去の調査結果と比較すると、マイカー所有率が前年度を上回るのは13年以来4年ぶり。17年は昨年比で4.3ポイント上昇しており、新成人の“クルマ離れ”に歯止めがかかっていることが分かった。特に都市部でのマイカー所有率の伸び率が大きく、直近の8年間では最も多い結果となった。

photo 調査結果の経年比較

 普通自動車運転免許の保有率も高く、「既に免許を持っている」と答えた人は56.3%を占めた。免許取得の意欲を持つ人は、「時期は決まっていないが、取得予定」(27.7%)、「現在、教習所に通っている」(5.0%)という結果だった。一方、「免許取得の予定はない」と答えた人は、11.0%にとどまった。

photo 新成人の運転免許の取得率

 では、車を所有する際にネックとなっているのは、どのような要素なのだろうか。調査によると、「車に乗る必要性を感じない」と答えた人は全体の26.4%だったのに対し、「車を所有する経済的余裕がない」と答えた人は全体の68.4%と過半数を占めており、経済的な事情が購入をためらわせていることが読み取れた。

photo 自動車に関する意識調査の結果

 ただ、自動車の維持に要するコストは低下しているようだ。「自動車にかけられる1カ月あたりの金額」については、平均1万7624円という結果だった。この金額は過去5年間のうち2番目に低く、自動車の維持費が減少していることがうかがえた。ソニー損保は、「燃費の良いエコカーや維持費が比較的安価な軽自動車など、経済状況に見合ったマイカーを上手に選択することで、コストパフォーマンスの良いカーライフを送ることができているのでは」とみている。

photo 自動車にかけられる1カ月あたりの金額

 調査は、今年新成人を迎える男女1000人を対象に、2016年11月19日〜28日にかけてインターネット上で実施した。

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