東芝、決算発表の延期申請 米原発事業で「圧力」か米子会社に新たな問題の可能性

» 2017年02月14日 15時01分 公開
[ITmedia]

 東芝は2月14日、同日予定していた2016年4〜12月期決算発表について、最大1カ月間の延期を申請したと発表した。米原発事業をめぐり、巨額の損失を計上する見通しになった原発建設会社の買収過程で、原発子会社ウェスチングハウスの経営者が米法律事務所に対し「不適切なプレッシャー」をかけた可能性があり、精査が必要になったためという。

photo 東芝の発表

 東芝によると、原発建設会社CB&Iストーン&ウェブスターをウェスチングハウスが買収する際、取得価格配分手続きの過程に「内部統制の不備」があったことを示唆する内部通報が今年1月にあったという。

 外部の弁護士とともに調査したところ、ウェスチングハウス経営者から、法律顧問を務めた米法律事務所K&L Gatesに対し、「不適切なプレッシャー」があった可能性について、ウェスチングハウスの経営幹部が指摘したという。

 現在は不適切なプレッシャーの有無や、プレッシャーがあった場合の会計への影響の有無などを調査しているが、調査と監査法人のレビューに1カ月程度かかるという。決算発表には内部通報に対する調査の完了が必要とされており、14日の発表ができなくなったとしている。

 内部統制の不備が確認された場合、決算にも影響を及ぼす可能性があるが、現時点では具体的に修正するべき重要な事項は認識されていないという。

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