最新のデジタル技術を活用して、小売店や飲食店のおもてなしを強化する提案が増えている。個別対応のサービスや五感へのアプローチなど、手をかけた接客や印象に残る商品提供につながる取り組みをメーカーなどが打ち出している。技術を効果的に活用した、きめ細かいサービスやちょっとした工夫が店舗の競争力向上の鍵となりそうだ。
顔パスで入店し、いつでも自分に合ったサービスを提供してもらえる――。最新機器を設置するだけで、そんなサービスが可能になるかもしれない。NECは、顔認証システムをパッケージ化した「ウオークスルー顔認証」を開発。流通業界向けシステムの展示会「リテールテックJAPAN 2017」で公開した。
顔認証システムの技術を、店舗やホテルの入り口に設置できる機器としてパッケージ化した。2017年度内の発売を目指している。
VIPや常連客などの顔を登録しておくと、来店時に専用端末の前を通り過ぎるだけで顔を検知する。顔の大部分をカメラで認識できれば認証が可能。手で口を隠すようなしぐさをしている場合でも認証できるという。車椅子に乗っていても検知できる。
実際に顔を登録して端末の前を通り過ぎると、画面が変わり、音声とともに「いらっしゃいませ」という表示がでた。顔を背けたり、上を向いたりすると反応しなかったが、一瞬でも顔を向けると即座に認識される。自分の名前が表示されると、歓迎されているような気持ちになる。
システム導入で想定できるのは、個別対応のサービス向上だ。来店情報を瞬時に把握できるため、その日に勤務している全ての店員が、それぞれの客に合った接客ができる。来店情報と合わせて過去の購入商品などの情報も把握できるようにしておけば、客を待たせることなく商品やサービスの紹介に入れる。
チケット制の会場や特定客の専用エリアなどへの入場をスムーズにしたり、ブラックリストに掲載された人が入場できないようにしたりと、セキュリティ面での活用も想定できるという。
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