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» 2017年03月14日 08時00分 UPDATE

360度カメラ活用:分析が手軽に、高精度に 店舗向けサービス

来店客の動きを分析して販促などに生かすシステムを提案する動きが活発だ。導入の手軽さや多角的なデータ分析を売りにしたサービスの開発が進んでいる。

[加納由希絵,ITmedia]

 来店客がどんな順番で店内を回り、どこで足を止め、どのように商品を手に取るのか。その動きを分析する技術に注目が集まっている。経験や勘だけに頼らず、客観的なデータを販促などに生かすことが求められており、さまざまな分析ツールや関連サービスが提案されている。

360度カメラで行動分析

 周囲360度の範囲を撮影できる全天球カメラ「THETA(シータ)」が注目を集めているリコー。シータを活用した顧客行動分析ソリューションの提案を始めた。カメラの設置やデータの分析を手軽にできることが特徴だ。

 シータを1台設置すれば、半径7〜8メートルの範囲を360度撮影できるため、カメラを何台も設置する必要がなく、回線工事なども不要。簡単に設置と撤去ができるため、展示会などのイベント会場でも活用しやすい。

 流通業界向けシステムの展示会「リテールテックJAPAN 2017」の同社ブースでも、実際にシータを設置。撮影した映像を見ると、ブース全体の様子が一目で分かり、人が集まりやすいエリアをリアルタイムで把握することができた。

photophoto シータで撮影したブース内の様子(左)と、設置されたシータ

 カメラのデータをクラウドサーバに送信し、自動で分析する。エリアや時間帯による顧客の滞留状況などの分析のほか、店舗の販促施策に応じた分析メニューを提供。デジタルサイネージによる集客を測定し、その位置や内容を見直したり、チラシ掲載商品への集客を測定することでチラシ配布の効果を把握したりすることを想定している。

 まずは、リコーが所有する機器やシステムを使って運用し、分析レポートを販売する方法で展開する計画だ。利用者はWebブラウザだけで現場の様子や分析結果を確認できる。2017年度に商品化、本格展開を目指す。

センサー技術で新サービス

 オムロンは、自社グループが強みを持つ既存技術で得られるデータを組み合わせて、顧客動向を分析する新たなサービスを開発している。その技術はセンサー技術と、決済処理サービスに使うサーバ「OTAC」だ。

 人感センサーで測定する顧客動向データと、OTACで得られる購買情報や顧客属性情報を組み合わせて分析し、販売やマーケティングの施策を提案する。売り上げに関する情報だけでなく、効果的な陳列方法やそのタイミング、時間帯による客層の違いなど、詳細なデータを提供する。これまで気付かなかった売り上げ減少の要因や、「長年の知識と勘による取り組みの効果」(担当者)などを明確化したいというニーズに対応する。

photo オムロンの人感センサー

 人感センサーの検知技術を活用して、効果的な広告を打ち出すこともできる。センサーで検知した情報によってデジタルサイネージの表示を切り替え、周囲に人がいないときは大きな文字の目立つ広告、人が近づくと詳細な情報を記載した広告を表示することができる。

 今後、データ活用方法などの検討を重ね、実証実験を通して実用化を目指す。

photophoto 人が近づくと詳細を表示(左)、離れると目立つ広告を表示(右)

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