「No Attack, No Chance(挑戦なくしてチャンスなし)」――。座右の銘とも言えるこの言葉通り、プロドライバーの佐藤琢磨選手は日本人として前人未到の大記録を達成した。
5月28日、米国インディアナ州で行われた100年以上続く伝統的なレース「インディアナポリス500マイルレース(インディ500)」において、佐藤選手が日本人で初めて優勝するという偉業を遂げたのである。
インディ500は「F1モナコGP」「ル・マン24時間レース」と並んで世界3大レースの1つ。毎年5月に開催し、今年で101回目を数える。特徴は1周2.5マイルのコースを200周、トータルで500マイル(約800キロメートル)を時速360キロ超で走行する、耐久&スピードレースなのである。
今年のインディ500で佐藤選手は残り5周で首位に立ち、エリオ・カストロネベス選手の猛追を交わしてそのままトップでゴール。タイムは3時間13分3秒3584で、2位との差はわずか0.2011秒だった。
6月13日にはその優勝を称える凱旋会見が、佐藤選手をスポンサードする本田技研工業(ホンダ)の青山本社ビルで開かれた。
会見の冒頭で佐藤選手は「本当にやりました。嬉しいです。この優勝は僕自身にとって大きな意味を持ちますが、ここまで僕を信じてずっと応援してくださったホンダやスポンサー、ファンと喜びを分かち合いたい」と感謝の気持ちを述べる。
そして、この喜びを多くの人々、特に子どもたちに伝えたいと話す。
「No Attack, No Chance。これをずっと自分のモットーとしてやってきた。こういう形で夢を実現できたこと、信じ続けて夢は叶うんだということを、日本の子どもたちに伝えていきたい。自分自身も改めて夢を持つことの大切さ、挑戦し続けることの楽しさを学んだ気がします」
会見の中で、佐藤選手はホンダの八郷隆弘社長から同社を代表するスポーツカー「NSX」が贈られた。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
Special
PR注目記事ランキング